17.「踊るなんとか」(映画版)みたいに「事件は、会議室で・・・」とか言って上司に噛み付いてもトントン拍子で、事件が解決したりするわけでもなくましてや「ラララ~」みたいな歌が流れてめでたしめでたしなんて事もない、でもなぜか、面白い。狂気すら感じさせる執念で静かに犯人を、追い詰め、やたら熱く悪と麻薬を、憎むまるで「密着!警察24時」でも見ている様な錯覚に落ちいっていると、怒涛のカーチェイスが始まり一流のエンターテイメントを、見ていたことに気付く。ごちそうさまでした。 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 9点(2004-06-09 11:09:15) (良:2票) |
16.《ネタバレ》 同年の『ダーティハリー』と何かと比較される本作だが、個人的にはこちらの方が好み。高級レストランで優雅に食事をとるシャルニエと、路上で寒さに震えながら張り込みを続けるポパイ。地下鉄での尾行。執念の車両解体。高架鉄道との前代未聞のカーチェイス(後にも先にもこれ以上のカーチェイスは見たことがない。最近では『ボーン・スプレマシー』が肉薄していた)。クライマックス、犯罪者たちを一網打尽にして「めでたしめでたし」かと思いきや、ラスト数分で唐突に悪夢的な陰を帯びてくる。暗がりの廃墟で、FBI捜査官を誤射してしまうポパイ。しかし「ヒゲはあっちに逃げた」と、ひとり画面の隅に消え、暗転。銃声が虚しく轟く。シャルニエは逃亡し、ポパイは退職。甘くない現実が突きつけられる。ドキュメンタリータッチのざらついた映像で、NYの雑多な空気を切り取ったフリードキンの演出が冴える。狂気を孕んだポパイを熱演したハックマンもお見事。20年後、「ダーティハリー」イーストウッドと「ポパイ」ハックマンが『許されざる者』で共演し、オスカーを受賞したのは感慨深い。 【フライボーイ】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-07-27 09:45:59) (良:1票) |
15.映像の質感がたまらない。なんでもかんでもマーケティング、細部までクリアでつるピカはげ丸な昨今の映画には望むべくもないタフさであります。デジタル大好きな今の世の中ではもう無理でしょう。程度っつうもんがあるんだけどなぁ。「探偵物語」で岩城滉一の地下鉄シーンがリスペクトしておりましたぞなもしかして。 【モートルの玉】さん 9点(2003-06-20 17:18:49) (笑:1票) |
14.張り込み・尾行・追跡・解体の各シーンから迫り来る「犯人を必ずや逮捕する」という素行不良刑事と、「妥協を許さない」という映画監督、それぞれの常軌を逸した執念と仕事へのプライド。唖然とさせられ、敬服させられる私の思いを代弁してくれる相棒の絶妙なキャラクター。どうしようもない結末のやるせなさ。何年経っても色褪せる事の無い忘れじの名作。 |
13.《ネタバレ》 無駄のない緊密な脚本で、この時期のフリードキンは乗りに乗っていたんだろうなと推察される。続く「エクソシスト」も見事な出来だった。まったく恐れ入るばかりである。 しかし現在の時点で初めて観る方がどのように思うかは分からない。退屈な刑事ドラマとみるか、ハックマンのやたらにあくの強い演技に食傷するか、・・たしかに捜査というものはたいていは退屈なものなのである。初見の時を回顧しながらこれを書いているが、一度観た時は意味不明だった細部が、二度目に観た時に突然パズルのピースを合わせるように合点がいった経験を思い出す。 相棒のロイ・シェイダーとハックマンの二人が、うらぶれた一室で容疑者の電話を盗聴する。どうでもいいような夫婦の痴話話を聞かされて、刑事ふたりがその場で笑い転げる。このときのカメラの冷徹さ。 あるいは、有名なカーチェイスのシーンに至る前に、狙撃されるハックマンのシーンの直前に挟まれる何でもないようなショット。子供が三輪車にのって走る遠方に、NYの電車がガードの上を横切る様子が映される。これはハックマンが車で追跡することを暗示する伏線だろう。 実に見事なものである。これ以外にも、三角地点による尾行のリアリズムといった描写や、いちいち指摘していれば枚挙に遑がない。一見地味なようで、実は華麗な映画なのではなかろうか。こういうものが“映画”だという気がする。 【タカちん】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-01-11 09:54:52) |
12.刑事物でアカデミー賞の作品・監督・主演男優の各賞を受賞したことは驚きです。エンターテインメントというよりドキュメンタリーのような乾いた描き方が他の作品と一線を画するところでしょうか。ロケーションが素晴らしいです。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-01-06 01:33:46) |
11.《ネタバレ》 まったく飾り気のない、抜き身の刀を思わせるような作品である。場面を盛り上げるBGMなし。劇的感を高める効果音最少。(当然ながら)CGゼロ。しかし、そうしたテクニックがミニマムでも、ものすごく引き込まれるし、むしろかえって「本物」感が強く、ハンパな演出をいっさい拒絶するストイックな制作姿勢にしびれるばかり。ストーリーも、安易なハッピーエンドとはほど遠い。実話を下敷きにしたとはいえ、最後まで終末が読めず目が離せない。 印象的な場面は、車を徹底的に捜索するシーン。もはや「捜索」なんてものではなく、「解体」以外の何ものでもない。そんなことまでするのかと、唖然となってしまう。おのおののシーンが超リアルで、つくられて30年を経たいまでも終始圧倒されっぱなし。そのほか、地下鉄相手のカーチェイスの場面もすごい。 本作を見直して、改めて映画の本質を問い直さずにはいられない。巧みな作画技術とか、多彩な撮影技術とか、コンピュータを駆使した音楽やグラフィックとか、たしかにそれらは映画の進歩に大きく貢献しているし、作品の魅力を高める要因にもなっている。しかし、それらはあくまでもサブ的要素なのだ。作品の核をなすのは、やっぱりストーリーであり、作品を貫くスピリットなのだ。それらが不足している映画が最近、とみに多いのではないか、と思わずにはいられない。歴史的作品に拍手、ということで、9点也です。彼らの世界を垣間見て、ああ自分なんか超温室育ちだなと、ちょっと自虐。。。 【delft-Q】さん 9点(2004-12-15 20:51:27) |
10.ドキュメンタリー・タッチの演出とカメラワーク、それまでの映画では描かれなかったポパイ(ドイル)刑事のキャラクターとそれを見事に演じたハックマン、そしてラストの...。どれをとっても最高の出来だと思います。そにしても同時期に出た「ダーティハリー」と共に、その後の全ての刑事モノに多大な影響を与えたのは間違いない。 【nizam】さん 9点(2004-05-26 12:33:19) |
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9.《ネタバレ》 中半までたいくつでして、合わないかもと思ってたんですが・・ それでいてこの高評価にはわけがあります。ものすごくよいシーンがあり、それまでのたいくつさはチャラになりました。映画とは私の中ではこういうもんです。それは・・犯人とハックマンが地下鉄構内でニアミスするシーン。あれはあまりの面白さに声を出して笑った。地下鉄のドアを杖がわりの傘で開ける犯人、つられて乗り降りしてしまうハックマンがおかしい!逃がしてしまいドアの向こうで不敵に笑い手を振る犯人、遠ざかる電車と悔しがるハックマン。 この描写大好き。デ・パルマの(ミッドナイトクロス)にこんなシーンありましたよね。それからハックマンを射殺しようとした、もう一人の犯人と上を走る電車と下を走るハックマンの車(本人運転!)これも面白い。ここらは、(ブルースブラザース)のあるシーンを思い出した。そして思い出した極めつけは、ラストの廃墟のバトルで(L.Aコンフィデンシャル)を・・う~ん。ハックマンの若いころが、ラッセル・クロウに似てることも原因か!? 私だけかもしれないが・・似てる(爆)この映画の結末がいまいち わからなかったので、監督のコメントを聞きました。だって、あの後味の悪さって狙って作ったものなら、賞取るのもおかしいと思って。そしたら、実話だったのね。そして実際の刑事ふたりの話も参考にしてるとか。本当の話ということで、さらに加点してしまった。地味なロイ・シャイダーが助演取ったのは不可解ですが(どう見ても前半面白くない)ハックマンが活躍する後半が全て。 それとあのフランス紳士風マフィア、あれは(カイザー・ソゼ)なのではなかろうか!?だから捕まらないのだ!いや・・コバヤシという名前を語ってるかも(爆) 余談ですがもうひとつ。 黒澤監督の(天国と地獄)の、特急列車のシーンも思い出しましたので付け加えときます。 【アルメイダ】さん 9点(2004-05-12 11:31:23) |
8.《ネタバレ》 刑事物映画としては、珍しいくらいのドキュメントタッチで撮られています。決して男前でもなく、乱暴な捜査であまり好印象とはいえないポパイ役を、名優ジーン・ハックマンが演じています。正義感というより、デカの意地みたいな執念先行型の主人公の暴走がこの映画の肝。容疑者の張り込みに、冬のニューヨークのコンクリートの上、何時間も立ちっぱなしで足をガタガタ震わせている描写など、物凄く生々しいです。だからこそ、犯人に対しての憎しみも沸いてくるのでしょうが。話題のカーチェイスも 好きなシーンです。高架上の地下鉄を追う、そのスピード感はポパイの怒りそのままをダイレクトに表現したみたいで、迫力があります。何かの番組で観たのですが、この話が実際の刑事をモチーフにしてるとあって、街の警察挙げての撮影の援助があったとか。高速道路のシーンは、警察が映画の為に急遽交通遮断を行い、渋滞になる場面を作りあげたそうで、やっぱりアメリカは凄いですね。映画のためにそんなことが出来ちゃうのが。 【映画小僧】さん 9点(2004-03-10 10:58:30) |
7.フリードキンは駄作も数知れずだけど、これと「エクソシスト」だけでもう巨匠と認めちゃいます!ドキュメンタリータッチの画質と淡々とした展開、伝説のカーチェイス、カッコイイ音楽、そしてあの殺伐としたエンディング...とにかく、たまりません。 【あおみじゅん】さん 9点(2003-12-11 18:07:10) |
6.どなたも指摘するでしょうが、ジーンハックマンがスタントを使わずやってのけたクライマックスの、高架を走る列車とのカーチェイスの凄まじさは、いま見ても圧巻。テレビドキュメンタリー出身のフリードキンならではの、リアルで渇いた映像。NYの寒さがこっちに伝わってくる質感。一緒に捜査に加わってるような臨場感。「正義感」なんて言葉が甘味に聞こえてしまう、ポパイの野良犬のような執念。ロイシェイダーの相棒もいい味。それにしても、こんな刑事がいたら、おっかないぞ。実在の刑事らしいね。 【ひろみつ】さん 9点(2003-10-25 00:19:44) |
5.ロクに捜査しないでも犯人に都合良くぶつかってすぐにドンパチ、途中オネエちゃんと知り合ったら映画が終わる頃にはちゃっかりいい仲になってる---そんな映画が面白いだろうか(面白いよ)。本作は大違い、私利私欲を離れて、ただもう夢中で犯人を追い詰めていく刑事のカッコよさ! 一種のバカのお話です。いやあ、ワタシもこうありたいもんです。 【鱗歌】さん 9点(2003-08-12 20:17:29) |
4.二枚目じゃないのに、かっこいいジーン・ハックマン。カーチェイスシーンより、電車を乗ったり降りたりするシーンの方が好きです。「ブルース・ブラザース」のカーチェイスシーンってこれのパロディ? かなりむちゃな主人公だが、これが実在の人物というのだから驚く。妥協することを知らず、己の信念と正義感のために犯人を追いかける。まさに公務員の鏡である。税金を無駄に使い、だらだらと仕事をする公務員に見て欲しい、いや、見るべき映画だと思う。 |
3.好きな映画です。71年ですが、全く古臭さなんて感じないと思います。カーチェイス等見所はたくさんありますが、特に尾行のシーンが好きです。刑事ものとしてはこれを上回る作品はそうないと思います。 【鮫島】さん 9点(2001-09-19 04:14:16) |
2.あのカーチェイスはやはり素晴らしい。終わり方もなんかやるせなくて、あれが真実に近いと思わせてくれる。 【プリン】さん 9点(2000-11-21 12:01:07) |
1.W・フリードキン監督はポリス・アクションの基本ともなる、それぞれの異なった追跡劇を巧みに描き分けてみせる。地下鉄構内での尾行は常套ではあるけれど、スリリングでしっかりとしたタッチで、又、高架下を高速で追っかけるカーチェイスは、ひたすらダイナミックにと言うふうにである。さすがに興味深いシーンの多い作品で、中でも、尾行中の容疑者が高級フランス料理店で暖かくゆったりと食事をしている間、見張りの刑事たちが凍てついた戸外で足踏みしながら、紙コップのコーヒーをまずそうにすするという、いかにも生々しい程のそれぞれの立場や、さらに人生の一断面をも描いていて秀逸。ショットガンをぶっ放すカッコ良さで売り出した、相棒役のロイ・シャイダーの存在感ある演技も忘れてはいけない。 【ドラえもん】さん 9点(2000-11-19 00:29:12) |