スパイシー・ラブスープのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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スパイシー・ラブスープ

[スパイシーラブスープ]
Spicy Love Soup
(爱情麻辣烫/愛情麻辣湯/湯大/Aiqing mala tang)
1997年上映時間:109分
平均点:7.20 / 10(Review 5人) (点数分布表示)
公開開始日(1999-10-30)
ドラマラブストーリーオムニバスロマンス
新規登録(2004-07-29)【やましんの巻】さん
タイトル情報更新(2015-02-14)【+】さん
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監督チャン・ヤン
キャストチャオ・ミアオ(男優)アイ(少年)
カオ・ユアンユアン(女優)リン(少女)
タン・スーフー(女優)リー未亡人
エミール・チョウ(男優)隣の青年
シュー・ジンレイ(女優)ユイチン(恋人)
脚本チャン・ヤン
ディアオ・イーナン
音楽チア・ミンシウ
主題歌カレン・モク
撮影チャン・ジェン〔撮影〕
製作ピーター・ロア
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1.10代から50代までの各世代ごとに繰り広げられる、いずれも恋愛や結婚生活をめぐる5つの物語。とにかく、各世代ごとの女優はすべて超がつくべっぴんさん揃いだし、男優だってイヤんなるくらい男前ばかりです。そんな彼らが、別にトーキョーやニューヨーク、パリであってもまったく違和感がないような、まるでアーウィン・ショーの短編集みたく「都会的センス」のなか、ささやかな人生の機微を、その喜怒哀楽を、さらりと演じていく。…な~んだ、ひと頃の日本の「トレンディ・ドラマ(死語)」みたいなものじゃん。だって? うん、まあその通り。確かにこれは、「現代的」な、あまりに「現代的」な映画なんだから。

ただこれまでの中国映画が、どんなにこの現代の世相を描こうとも結局「国家」や「歴史」という“大きな〈物語〉”を語っているののに対して、この作品はあくまで現代(いま)を生きる「小市民」という“小さな〈現実〉”をスケッチしていく。それは、あらゆる意味でこれまでの中国映画のイメージを覆すものじゃないか。つまり、ただ「現代的センス」だけで何ひとつ〈メッセージ〉を発しないというだけで、これは中国映画として逆説的な「ラディカルさ」を獲得しているんじゃあるまいか。徹底して非ー政治的だからこそ、逆説的に極めて「政治的」なフィルムと言うか…

第1話の、同級生の少女の「声」に恋をした高校生のせつない初恋物語から、偶然出会った男女のすれ違う愛のゆくえを、ふたりのナレーションだけで綴ったマルグリット・デュラス(!)風の第5話まで、そこにはパーソナルな「個人」の内面だけが語られている。もはや「国家」も「歴史」も介入できない、「私だけの物語」を語ろうとするのだ。それも、ビックリするほど洗練されたタッチ(と美男美女のキャスト)で。
だから、10歳の男の子が流す涙のせつなさも、まもなく老境を迎えようとする婦人の慎ましやかな幸福も、彼ら彼女らのあくまで「個人的」なドラマであるからこそ、それらはヴィヴィッドにぼくたちの胸を打つ。「これは“ぼく”の物語だ」「あれは“わたし”自身よ」と、見る者ひとりひとりがそこに自分自身のドラマを見いだすのだ。

そう、これはささやかだけれど、人生そのもののように美しい映画だ。
やましんの巻さん 9点(2004-08-24 14:19:28)(良:3票)
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【点数情報】

Review人数 5人
平均点数 7.20点
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200.00%
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400.00%
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6240.00%
7120.00%
8120.00%
9120.00%
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