1.ジャック・ブラックに魅力を感じたことが一度も無く、バリー・レビンソンの映画を面白いと思ったことがほとんど無いので全く期待はしていませんでしたが、クリストファー・ウォーケンの存在が全てを変えたと言っても過言ではありません。一度本格的にコメディをやっているところを見てみたいものだと長年思っていましたが、今回のベン・スティラーとのカップリングはまさに期待通り。全編を通して二人の珍道中が一番楽しく、久しぶりに正しく笑わせて戴きました。ジャック・ブラックって芸風がバカ殿様なんだよなーと思っていたらこの映画では本当にバカ殿そのものだったのも、むしろ邪魔にならなくて丁度良いと思いました。ベン・スティラーの卑屈な個性もなかなか良く活かされていたと思います。たぶんバリー・レビンソンという監督は、傑作を撮ろうとするからダメなんであって、この映画とか「レインマン」「グッドモーニング・ベトナム」のように役者頼みの作品の方が本領を発揮出来るのではないでしょうか。庭にメリーゴーランドを建てたり屋内ボーリング場を作ったりという隣のリッチマンの典型的な成り上がりぶりもそれなりに楽しめますし、特に感動すべき点などを期待するのでなければ土曜の晩にご家庭で楽しむ映画として強くお勧め出来ると思います。