2.《ネタバレ》 年月が経っても、心の底で大切に輝き続ける思い出とか出会いとか、そんな一作。
女の子って、友だちって、こういうこと。大事なことを共有したくて、その実現に一生懸命。意地悪な大人に絡まれたら一緒になって憤ってくれる。他愛ない議論と延々続くおしゃべり。洗練されたファッションの子と、野暮ったい子の取り合わせ。ああ、かつて通ってきた女子ワールドの面倒くさくも好ましいエッセンスを凝縮したかのようです。
会話もリアル。「青の時間」を邪魔されてパニくるレネットに「わかった、明日もいるから」と言うミラベルの台詞にあーめんどくさい子ねえ、という呆れとか女の子ならではの優しさが感じられて、十代のあの頃がとても懐かしい。
思い出す限り、こんな風に女の子の心の内を細かいひだまで描いた作品は邦画では見たことが無かった。そういうジャンルは大島弓子とか吉田秋生らの手によって少女漫画でしか接することがなかったあのころ。美しい映像で外国のそれも年配の男性によって撮られた繊細で愛らしい女子ワールド。とても新鮮で、驚きをもって迎え観たものでした。