4.《ネタバレ》 「とても幸せそうな女の子に見えたよ
助けを求めたことなんか一度もなかったし
自殺の気配も見せなかった
話してくれたら助けられたのに
わからない
なぜ彼女が こんなことに・・・
わからない・・・わからない」
友人を突然自殺で失うその喪失感、そのあまりにも唐突な感じ。
どうして・・・何故なんだ・・・分からない・・・という想い。
結局ケリーが何故自殺を図ったのかは分からない。
重大な悩みを抱えていたのか、それともちっぽけな理由なのかすら分からない。
描写としてあるのは恐らくは彼女は孤独だったのだろうという事のみだ。
いつ自殺してもおかしくないような苦悩がそれぞれ詳細に語られた6人の登場人物とは非常に対照的だ。
このコントラストが友人を突然自殺で失うという不条理感を強烈に出していると思う。
長年の友人を突然自殺で失ったという経験を持つこの監督だから作れるのかもしれない。
あまりにもリアルで疑似体験みたいだ。
ムラーリ・K・タルリ監督も友人を失ったとき考えに考え抜いたに違いない。
しかし結局分かったのは友人が孤独だったのだろうという事だけだったのかもしれない。
そしてその友人はケリー同様優しくていい人だったのだろう。
そういった監督の心情に思いを巡らせながら最後のケリーのインタビューを見ると涙が出てくる。