1.《ネタバレ》 ヴェルナー・ヘルツォーク入門&ヘルツォークをもっと好きになる傑作。
「殺したいほど愛している」なんて話はざらに聞くが、まさかそんな話を映画にしてしまう人がいるのだから困ったものだ。
監督と役者は主従である前に対等な存在だ。
「俺が監督してやっいてんだ!!」ま
「俺様が演じてやっているんだ!!!」という対立は苛烈になればなるほど現場を凍りつかせ、引き締める。そのピリピリしたものが、そのまま映画の緊張感に+されるのだ。
ヘルツォークの出世作ともなった「アギーレ/神の怒り」では、狂信的な英雄像をキンスキーが演じた。
二人の憎悪と愛情の表裏一体の関係の中は、数々の傑作を立て続けに生んでいく。
あの野郎を殺してやりたい、あの野郎を俺のものにしたい・・・!役者の狂気に、監督の狂気が応えていく。
ドイツが産んだ二人の野獣をもっと好きになる映画だ。