緋色の街/スカーレット・ストリートのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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緋色の街/スカーレット・ストリート

[ヒイロノマチスカーレットストリート]
SCARLET STREET
1944年上映時間:102分
平均点:8.60 / 10(Review 10人) (点数分布表示)
ドラマサスペンスモノクロ映画小説の映画化戯曲(舞台劇)の映画化
新規登録(2008-01-14)【アンダルシア】さん
タイトル情報更新(2012-12-01)【Tolbie】さん
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監督フリッツ・ラング
キャストエドワード・G・ロビンソン(男優)クリストファー・クロス
ダン・デュリエ(男優)ジョニー・プリンス
ジョーン・ベネット(女優)キティ
ウラジミル・ソコロフ(男優)ポップ
マーガレット・リンゼイ(女優)ミリー・レイ
チャールズ・ケンパー(男優)眼帯をしたヒギンズ
脚本ダドリー・ニコルズ
音楽ハンス・J・サルター
撮影ミルトン・クラスナー
製作フリッツ・ラング
製作総指揮ウォルター・ウェンジャー(ノンクレジット)
特撮ジョン・P・フルトン(特殊撮影)
美術アレクサンダー・ゴリッツェン(美術監督)
ヘアメイクジャック・P・ピアース(メーキャップ監督)
編集アーサー・ヒルトン
その他ウォルター・ウェンジャー(プレゼンター)
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5.《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。あまりの素晴らしさに打ちのめされました。これほどの傑作が2012年まで日本未公開だったとは!
設定そのものがとても魅力的ではあるものの、中盤まではサスペンスなのかコメディなのかハートフルストーリーなのかまったく予測できません。
ぎりぎりのところまでコメディタッチの洒落たサスペンスと見せかけて、最終盤で一気にノワールへと変貌する!これは結局のところ、しがなくも実直で勤勉だった中年男が、その善良さにもかかわらず転落するという報われない物語。今でいうところの「イヤミス」ですね。ラストシーンで「神の子は今宵しも」や「ジングルベル」などのクリスマスソングが流れるところも不気味で秀逸。べつにイヤミスが好きなわけではありませんが、この作品にはすっかり魅了されました。脚本がきわめて巧みで、とくに終盤部分で関係者の証言がみごとに一致するところなどは唸ります。
なお、原案はルノワールの「牝犬」だそうですが、タイトルを「Scarlet Street」に変えたのは、もしかしてゴシック小説の「緋文字(The Scarlet Letter)」やコナン・ドイルの「緋色の研究(A Study in Scarlet)」に関係してるんでしょうか?

追記:きっとNYのグリニッジ・ヴィレッジが赤煉瓦の町だから「スカーレット・ストリート」にしたんでしょうね。逆にいうと、そのために物語の舞台を、原作のモンマルトルからグリニッジ・ヴィレッジに変えたのだと思う。
まいかさん [インターネット(字幕)] 9点(2022-09-18 02:48:37)(良:1票)
4.《ネタバレ》 「飾窓の女」のオチが気に入らない俺は断然「スカーレット・ストリート」。
序盤はラング得意のじっくりドラマを描く展開で見せ、徐々に複雑かつ深刻な状況に主人公を追い詰めてしまう。些細な出来事がどんどん膨れ上がる恐怖。
主人公が描いた美人画(どう見ても「メトロポリス」の雰囲気バリバリの絵です。本当に(ry)が強烈だ。

「飾窓の女」に出てきたショーウィンドウの絵よりも強烈だぜ。言っちゃ悪いが、アッチはキレイすぎて毒が無い。サスペンスはやっぱり猛毒が無いとな。悪夢が一生続くような毒がさ。
寝ても覚めても悪夢が主人公を蝕み続けるラストが素晴らしい!こういう「飾窓の女」が見たかったのよ。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-26 14:40:22)(良:1票)
3.《ネタバレ》 念願叶っての鑑賞。ヒモ(ジョニー)にいいようにされる女(キティ)にいいようにされる男(クロス)。いや、もう、やり切れなさで埋め尽くされた作品でした。映画の中の絵空事ではない、そこらへんに居そうな、真面目だけが取り柄の冴えないオッチャンの転落劇。そうなるしかないのだろうと思ったところでのアイスピックに「あぁ、やっぱり」そこからの展開が意外過ぎて唸らされ、無間地獄を彷徨うようなラストショットはやり切れなさのとどめの一撃。誰もが引き受けないんじゃないかと思えるオッチャンを演じたエドワード・G・ロビンソン。忘れ難い名演を堪能させてもらえました。(リーフレットに写真付きで記されていたあんまりだという理由で削除されたという電柱シーンも観たかったところです)フリッツ・ラング監督の演出も冴えわたるフィルム・ノワールの傑作。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 9点(2020-01-03 00:41:05)
2.《ネタバレ》 ノワールと言えばやはり「欲望」というとこで、
主立った三人の登場人物は皆、自分の欲望を満たすためだけに行動をする。
中年の銀行マンは騙されてはいるのだが、嘘を付いてでも手に入れたい愛という、
そんなどうでもいいようなものの前では、同情などは打ち消されてしまう。
誰に同情出来るでもない世界観。
この世界観はラングによる繊細な人物描写で成り立っている。
しかもそれは見せ方だ。
例えば、男が女を殴っているのを主人公が目撃してしまうショットの上手さよ。
この引き画の、引き具合の抜群さだ。
傍目から見れば明らかに襲われているという見せ方。
これはこの前段階で主人公が若い女とどうのこうのという件が活きているからこそだが、
主人公同様に、我々観客にも「そう見える」という演出の上手さだ。
ラングの上手さとは見せ方の上手さ、つまり物語ることの上手さだ。

そしてやはりこの映画はクライマックス語らずにはいられない。
ネオンの明滅、決して消えない幻聴。
観客は視覚と聴覚を刺激され、まるで自分が主人公であるかの如き錯覚に陥るだろう。
そして現れるあの絵画の眼差し。
やられた。完全にやられた。
ここでこれを出してくるとは全く想像していなかった。
この瞬間に誰もが身震いするはずだ。もう蛇に睨まれた蛙だ。
ラストたった10分程だろうか、途轍もない緊張感と興奮に誘われる。
素晴らしい。
すぺるまさん [映画館(字幕)] 9点(2012-09-29 00:17:52)
1.ルノワールの『牝犬』と比較して、終盤の裁判シーンに拘りを感じさせる点が『M』や『激怒』のフリッツ・ラングらしい。

トーキー初期の『牝犬』の音響設計も傑出しているが、限定的なセットから最大限の効果を引き出していくラングの画面構成力と音響効果の見事さも決してそれに劣らない。

見晴らしの悪いジョーン・ベネットの部屋の仕切り構造によって、ドアの呼び鈴が鳴るたびに、観客は彼女と共にサスペンスを共有することとなる。

エドワード・G・ロビンソンが勤務するガラス張りの会計ブースは様々な俯瞰アングルによって視線を受け、また彼の自宅においても威圧的に配置された肖像画によって彼は常に睥睨され、心理的に抑圧される。

豊かな劇空間の達成は、手狭なセットを逆手に取り、逆に不可視の空間を活かした奥行きの創出と、豊かな音響効果の数々(レコードの音飛びやベネットの台詞のリフレインなど)、表現主義的照明術(窓辺から差し込むネオンサインの明滅が暗いアパート室内で怯えるロビンソンを照らし出す神経症的な陰影術。)、そして観客の想像力への信頼あってこそのものだ。
ユーカラさん [DVD(字幕)] 9点(2011-07-02 19:24:58)
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【点数情報】

Review人数 10人
平均点数 8.60点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
7330.00%
800.00%
9550.00%
10220.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.33点 Review3人
2 ストーリー評価 8.66点 Review3人
3 鑑賞後の後味 8.33点 Review3人
4 音楽評価 9.00点 Review3人
5 感泣評価 10.00点 Review2人
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