1.映画館を出る際、口元に笑みを浮かべている自分に気付いた。ただただ嬉しかったからだ。内容からして、おそらく酷評も多いだろうと予想されたが、自分は松本人志がストイックに「お笑いの映画」に挑戦して、きっちりとひとつの作品を生んでくれたことが嬉しかった。
松本は常々、映画はひとつの表現の場でしかないと語っている。今のテレビは規制が厳しいし、お金も出ない。だから映画に「逃げた」と。他にもっといい条件でいいものを作れるなら、映画じゃなくてもいいと。だから松本にとって映画はテレビでもあり、DVDでもあるわけだ(もちろん、海外で売れる、賞に出品出来るという映画ならではのメリットを1作目で痛感したからこその、今回の内容であるといえる)。
「映画」という場に対して日本全体が身構えてしまうし、あれだけのプロモーションにより過度の期待がかかり、その失望?から酷評が生まれるのは残念だ。
出来るなら、もう少し吉本も気楽に作品を撮らせてやって欲しい。物々しく発表して、過剰に期待させるからこそ反動も高くなるのだろう。
ともあれ、どんな形であれ作品を発表してくれたことが嬉しいし、それが自分の心に大きな余韻を残す作品だったことも嬉しい。