2.《ネタバレ》 キン・フー、ジャッキー・チェンと数々のカンフー映画の傑作群に武術指導をしてきたサモハン・キンポー。
ウィルソン・イップやドニー・イェンたちと組んだこの「イップ・マン」は、カンフー映画の最高傑作として長く語られ続ける事だろう。ブルース・リーも師事した伝説の拳法家・葉問(イップ・マン)の名と共に。
原点にして頂点、それが葉問だ。
戦争や権力者の圧力に屈しない武術を綿々と受け継いできた中国。
カンフー映画の肉が裂ける、骨が砕ける音、汗の匂いも同時に。
木人形を使った鍛錬から始まるファースト・シーン。
美味そうに飯を食べる葉問は、無用な争いは避ける男だ。
手合わせで技は教えても、殺してしまっては教えるものも教えられないし成長もできない。
だが、いざとなればリボルバーからシリンダーだけ外す事も、道場破りにきた野党をホウキでブチのめす事も朝飯前。
ホウキ買おうかな・・・。
頼まれれば武術指導も快く引き受ける。
「良い拳法は老若男女を問わない」
どんな敵でも怖くなんざねえ、仲間に手を出すやつぁ許さねえ、怖いのは嫁さんだけだ!
奥さん「物を壊さないで!(意訳:あとは勝手にしやがれ)」
殴り合いから斬り合いまでやるカム・サンチャウが良いキャラすぎて微笑ましい。殺しはやらないこだわりも憎めない悪党だ。
どちらにも付かず第三勢力として度々葉問たちに絡むのが面白い。
どんなに家が無くなろうが、食に困ろうとも、鍛錬を続ける拳と魂が腐る事はない。それが葉問。
戦争の無力感に苛まれようとも、彼は耐えて耐えて耐え、殴って殴って殴りまくる。
誇りを捨ててまで家族のため拳を振るうリュウ師匠もカッコイイ。彼も魂までは腐っちゃいない。
プライドまで捨てた武術家を侮辱する事は許さない。葉問の撃拳連打が十人の空手家をブッ倒すシーンはスゲエぜ。
どんな傷を負おうとも、その志は人々の中に生き続ける。
斉藤閣下も太っ腹です!形はどうあれ正々堂々と立ち会った閣下は偉い。
だが三浦のクソ野郎と階段で顔面砕かれた男はザマあかんかん。