9.《ネタバレ》 楽しい映画でした。冒頭のパリの風景だけでも楽しめますね。ちょっとパリに行ってみたくなりました。海外旅行はほとんど行ったことがないし、パリへの興味も無かったけれど、旅行好きなリア充どもがフランスだーパリだーとキャッキャするのも分かりましたわ。しかし、そんなリア充どもへのチクリも忘れない。先人へのリスペクトが映画全体に漂っていて、ほっこりした気分になりました。クスクス笑いも耐えません。エイドリアンブロディのダリにはヤられちゃいました。ファンサービス的な登場だったけれど強烈に印象に残りました。「過去がすべていいとは限らない」というメッセージも含まれていますが、ちっとも説教臭くなく、ギャグで表現しているのがオトナ~。映画を見終わった後は、パリへの憧れが芽生えつつも、日本のゴチャゴチャした夜の街をほっつき歩くのも、なんだか楽しい気分になる映画でした。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-05-27 17:51:32) (良:2票) |
8.《ネタバレ》 あ~、これめっちゃ楽しかった楽しかった~♪もう上映中ず~っとニヤニヤと頬が緩みっぱなし。粋で洒落てて上品で、しかも知的なファンタジーエンターテイメントの決定版!おそらくこれは、21世紀に入ってからのウディ・アレンの最高作ではないかと思われます。(ちなみにそれ以前の最高作は自分の中では「ブロードウェイと銃弾」)真夜中の巴里(←カタカナよりも断然この当て字!!)の街に、アレンが丹精こめて調合した魔法のスパイスを降りかけ、大人が楽しめる素敵な童話に仕立て上げてくれました。鑑賞後、ホント心が潤ったというか、こんなに豊かな気持ちになれたのは久しぶり。相も変わらず、エセ教養人を脇キャラとして臆面もなく出してくるあたり、アレン節健在なりって嬉しくもあったりして(笑)ともすれば浮わついた流れになりがちなファンタジー的展開の中にも、ちゃんと一本筋が通ったメッセージも自分には十分伝わってきましたしね。私がこの映画にスーっと入り込んでいけたのは、懐古主義で端から見たら救いようのない生来のロマンチスト、現実逃避的な主役のキャラクターに自分と似た部分を大いに感じたせいかもしれません。外見の差異はさておき。オーウェン・ウィルソン君の何気ないシャツとボトムの着こなしがやたらカッコいい。お手本にさせて頂きます!対するマリオン・コティアール嬢もすこぶる魅力的。結構な豪華な配役なのに、それぞれが分をわきまえ、出しゃばることなく役に巧くはまってましたね。あらかじめ張っておいた伏線はものの見事に回収、オーラスまで緩みも手抜かりも見当たらない手際の良さには舌を巻く。これぞベテラン監督の手腕。彼がこの異空間体験を経て、どんな小説を書き上げたのかが多少気になった程度。やっぱ映画は脚本がイノチ!こういう脚本が良く出来た作品を観るとつくづくそう思う。そう言えば、オードリーも「巴里は雨の日が一番素敵なのよ!」ってワイルダーの映画で言ってたような。これを観て巴里という街への憧れを、再びかきたてられる人も多いのでは?まだまだこれからもアレン先生は面白い作品を作ってくれそうで楽しみです。ついでに言うと、映画のポスターの図柄もセンスあるよなぁ・・・。好きな映画に出会うと、何でもとことん誉めたくなってしまうのが、昔っからの自分の癖。うん、とりあえず今年観た新作の中では間違いなくベスト。真夜中の魅惑の巴里とウディ・アレンに乾杯! 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-05-26 22:42:41) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 しっとりと降る雨、街灯が灯る夕暮れ。美しいパリの街並みを、ロマンチックな音楽にのせて映すオープニングの美しさに冒頭から思わずため息が漏れます。現在も過去も、登場人物たちはみな個性豊か。イヤ~な性格のインテリと尻軽の嫁さんに嫌気がさし、ますます現実逃避したくなる主人公は普通の人間くさくて面白いし、数多く登場する偉大な文豪や芸術家たちは、役者陣のハマリっぷりというか、演じるのが楽しくて仕方がないといった空気がよく伝わってきて、観ているこちらまでウキウキしてきます。過去の人間ですら、その過去に憧れているというその堂々巡り、そして目が覚めたように現在に目を向ければ、すぐそこに何と素敵な娘が待っている。懐古主義はほどほどに、今を楽しめというウディ・アレン監督のやさしいメッセージを感じます。良質な大人のファンタジーを堪能しました。 【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-11-24 22:49:39) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 とてもとてもオシャレ!!そして粋だ。映像も脚本もファッションも音楽もあらゆる全てのものが、センスに溢れている。と感じる。けれども嫌みがないのは、やっぱりそこは主役のオーウェン!!ナイス配役!ちょっと残念なイケメンに、普通のシャツにチノパンという出で立ちが、一気にパリを身近に感じさせてくれる。最後に雨がふってくるのが最高だ!その名の通り、ミッドナイトに見るべきですな…。。いい夢が見れそ。 【小星】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-11-19 00:49:55) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 うまいよな~、あの「エセ知識人」にイラっときた人にはこの映画はハマルに違いないはず(笑)。とってもオシャレで知的、だけどその中にある皮肉さがウッディ・アレンらしい。1920年代のパリってこんな感じだったんだろうね^^と思わせる造りこみと、あのヘミングウェイ(!)やピカソ(!!)が生きている時代にいけるなんて、なんて夢のある映画なんだ!いや~映画って素晴らしいよ。出てくる美女たちもスゴイけど、主役にオーウェン・ウィルソンをもってきた絶妙なキャスティングが超ベテラン監督のさすがなナセル技。もぅ強烈に刺激的な「過去」と全くつまらない「現在」。いつの世も過去は美しく現在は醜いと語る著名な芸術家たち。そんな過去に向いた目を、美しいパリの雨の夜の素敵な出会いで今現在に戻してくれましたね。そんな見事な監督の仕事ぶりに拍手。 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-09-24 09:28:16) (良:1票) |
4.人が陥りがちな懐古主義を皮肉り、いまを生きる大切を説く。 ……みたいなわかりやすい結論に落ち着くわけでもなく、なんとなく曖昧な感じで終わるのがいいんですよね。 こういう設定だとつい観念的な映画になりがちだけど、ちゃんと人間を描いている。設定はそのための道具に過ぎない。 素晴らしい映画だと思いました。 【とと】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-02-08 18:09:46) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 素晴らしい。たぶん、個人的に本年度No. 1。満点じゃない理由は後述。観に行くかた、お金に余裕あるならパンフレット買った方がよいですよ。私、劇中で語られるブニュエルの映画タイトルが分からなかったので、もしかしたら載ってるかなっていう程度の気持ちで購入したら、ちゃ~んと記載されてました。たぶん、時代や登場人物の背景が細かくわかる人は少ないと思いますが、パンフレットがほぼ補ってくれます。本題に戻って、今回タイムスリップものという話を聞きつけたので観たわけですが、そんな「えすえふ」な設定ではなく「ホラ話」というか、出来のよい新作落語をみせてもらったという感じですね。台詞の組み立てが見事で、特にポールというキャラクターの造形、それに対する各キャラクターの絡みかたと台詞は見事ですね。ディレッタントでもなくスノッブでもなく「ペダンティック」という言葉がぴったりの人物を見事に作り上げた上で、「そんなヤツは大嫌いだ」ってモード全開でたたみかけていくところがよろしい。しかし、相変わらずアレンは「女好き」全開ですな。婚約者イネズ役のレイチェル某には関心ないんだけど、マリオン・コティヤール(TAXIから注目してた)、レア・セドゥー、その上カーラ・ブルーニだぞ!!!。個人的には前大統領夫人、最高です。偶然だけど、最近レア・セドゥーの出演作(ルルドの泉で、ロビン・フッド)を続けて観て存在感の強い娘だなと思ってたら、今作でもやっぱそうでした。そうそう、英語が多少聞き取れる自信があるなら、字幕を後追いにするとかなりディテールがくっきりしてくると思います、むつかしい単語少ないし。さて、減点1の理由。「支払いはど~すんだよ、支払いは」ってことが、心のスミに最初から芽生えてたんですよ。フード理論(©福田里香)的に「(心の中で)済ませたことにする」で解決しようと思ってたわけなんだけど、ムーラン・ルージュのシーンで言葉に出して言わせちゃったでしょ、だからダメ。時空を越える設定の場合これはとても重要なことで、映画でいうと「ある日どこかで」だとそれがきっかけで戻されることになるし、小説だと広瀬正「マイナス・ゼロ」に代表されるように、過去の紙幣・貨幣を準備してから向かうのが当然だから。ここさえちゃんとしてりゃ100点満点なのに。でも、たぶん上映中にまた観に行くだろうな。 【shintax】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-06-01 08:11:10) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 ロマンチックでファンタジー。絵画や芸術好きには堪らない映画ではないでしょうか。また1つウディ・アレンの好きな映画が増えました。 【VNTS】さん [インターネット(字幕)] 9点(2018-04-12 00:47:15) |
1.《ネタバレ》 これはものを作る人や作りたい人にとってのシンデレラ・ストーリー。「いつか白馬に乗った理想世界がボクを迎えに来てくれる」。主人公は偉大な芸術家たちに諸手を挙げて歓迎され常に気に入られすぐに腹を割った話ができる。萌え小説のクリエイター版か。 この映画にはウディ・アレンの願望・妄想・欲望が炸裂している。その恥ずかしいご開陳を決別という形にして自立した成長物語のふりをする。過去の世界に留まりたい気持ちはアドリアナが身代わりに実現させ、自分はちゃっかりと戻る。それも現代のパリという丁度よい落とし所で新しいお相手まで見つかる。「黄金時代」が幻想だと言ったのは「天敵」だった似非教養人のポール。そういえばアドリアナが19世紀で服装の斬新さを讃えられるのに明らかに場違いな21世紀人のギルは何も言われない。彼は帰る人だからか?夢の世界で1人醒めてしまった人か。ダブル黄金時代が黄金時代の幻想を醒ます。 数々の偉人の中でもロートレックがあまりにそのまんまでびっくりする。ピカソがずっと小物っぽいのも面白い。そしてキャシー・ベイツ扮するガートルード・スタインがめちゃくちゃ格好良い。ピカソやヘミングウェイにも堂々と意見するスタインはギルを励ます。成長物語のようでいて実は甘い甘い夢物語。僕もどこかへ引っ越したくなってきた。 【tubird】さん [インターネット(字幕)] 9点(2018-01-25 10:05:15) |