3.『ターミネーター』ではターミネーター役としてシュワと対決する可能性も無くは無かったランス・ヘンリクセンと、『プレデター』ではプレデター役としてシュワと対決する可能性も無くは無かったヴァン・ダムが、ここに対決。
ジョン・ウーのハリウッド初作品って、確か『ブロークン・アロー』だよね~、と誰もが言いたくなるくらい、誰もがあまり触れたくない作品? 何しろ、ストーリーなんて有って無いようなもの、その意味では内容スカスカ。製作費の方も、あまりかけて無さそう。しかし、スローモーション多用のアクションシーンは、まさにジョン・ウー印(勿論、ハトも飛びまくってます)、内容が無い分、ある意味、純粋にアクションが堪能できます。堪能せざるを得ません。不本意ですが(笑)。
主人公を演じるは上述の通り、我らが機動戦士ヴァンダム。こういうヒトには演技なんかさせちゃいけない、ひたすら戦わせなくちゃいけない。というワケで、物語の発端こそ、「ヒロインの父親探しを手伝う」という最低限の設定があるものの、それはどうでもいい事だったらしく、後半は素朴に「人間狩り」との対決へと突入します。中盤にも「バイクに立ち乗りして敵のクルマに立ち向かう」というワケのわからない(しかし細かいカットで念入りに描写された)シーンがありますけれども、後半の「人間狩り」に至っては、もはやストーリーも何もあったもんじゃなくなり、どこかの小汚い倉庫みたいなところでのバトルが、いつ果てるともなく延々と続きます。何でこんなにアチコチで爆発・炎上が起こるのか、サッパリわからん中で、ひたすら戦い続ける機動戦士。襲い掛かる敵に対し、カッチョ良く拳銃を乱射するも、どう見ても水鉄砲並みの威力しかないもんで、しっかりとマーシャルアーツでとどめを刺す。一粒で2度おいしいアクションとは、まさにこれのこと。
アクション満載、楽しさ満載、中身スカスカ。素晴らしい。
ところで、主人公は結局、船に乗れたんだろうか。え、そんな事は一番どうでもいいって?