1.《ネタバレ》 再見。2度目の鑑賞の方が感動した。
この侍は、仇討ちを遂げた後、切腹するつもりだった。
その奥さんも、亭主の仕事を見届けて、自害するつもりだった。
そんな緊張感の中での夫婦の安らぎの時。
それが食事を分け与えるシーンである。
しかし時代は変わる。仇討ち禁止令が出たのだ。
(この時代の変革を見事に描写したのが、商人から金を返せとの騒ぎで、かつての侍たちが見過ごせず名乗り出るシーン。これが最高なのですね)
仇討ち禁止令が出て、果たして、刺客と出会う。
ただ何故9点にしたかというと、ここで刺客に生きろというシーンでの説得力が僕には今一つだった。
尊敬する主君が、自分の身をかえりみず、命がけで訴えた直訴を聞いてやる、そのことに
命がけでやる行為への敬意を、中井貴一演じる侍も見習うといったところか。
もう仇討ち禁止令が出ている。
その禁止令が出た時の侍の葛藤を描いてほしかった。
そして、その煩悶の末、刺客と相まみえる、その過程を丁寧に描けば、この映画は僕には満点だった。
もう一つ、この夫婦に幸あれ、ってことで、ラストの手をつなぐシーンは、
奥さんから手を握れば良かったのでは、と思います。
でも傑作です。