1.《ネタバレ》 2018年11月24日劇場鑑賞
1953年版鑑賞済。2018年11月にデジタルリマスター化したオリジナル完全版(監督に無断でカットした短縮版上映から40年後の本邦初公開)上映という事で駆けつけました。冒頭からエンディングまで「映画を作る狂人」ウィリアム・フリードキンの一ミリの妥協も許さないかのような気迫に圧倒されます。非道の殺し屋、外道のテロリスト、邪道の投資家、極道のギャング、4人それぞれの本国では生きてゆけなくなり肥溜めのような地に流れ着く過程を丹念に描く事で、圧巻だった300万ドルつぎ込んだという吊り橋シーンに於ける、地べた這いずり回る毎日から何としても抜け出したいという思いが浮き彫りにされます。罪に対する罰が与えられた結末はやるせないものの、やらずに後悔するよりはやって後悔したほうがマシなのだと思わされます。40年かけて復活させたフリードキンに祝辞を贈りたい傑作。