4.《ネタバレ》 鑑賞後、少し時間がたち咀嚼できたので、レビューを更新しました。
【4月30日更新】
まずは、『インフィニティ・ウォー』の終り方。
これまで《力(ちから)》で地球を守って来たアベンジャーズが、サノスの《力》に敗れる。
そして5年が経過・・・敗北を経験したことで、彼らにどんな変化があったか。
・アイアンマン:初めて 負けた側の気持ちを知り、同時に“負ける恐怖”から解放された。
(ネビュラとのゲームであっさり負けてみせる)
・ハルク:バナーはハルクをコントロールすること=“支配”を止め、融和を選んだ。
・ソー:王位=“権力への執着”を止め、自由に生きる道を選んだ。
(ただ、これは逃避行動で 問題は悪化している。彼の旅も物語もまだまだ続く)
・ウォーマシン:典型的軍人タイプだったが、“敗者の傷みに共感”する一面を見せる。
・ブラック・ウィドウ:過去の罪で“自責の闇”に囚われ、今もまだ苦しんでいる。
(『エンドゲーム』の行動で、その闇から解放される)
・ホークアイ:家族という支えを失い、悪への“復讐心”に目覚める。
(新たな“孤独と葛藤”の始まりか?家族が戻っても彼の葛藤はまだ続くのだろうか?)
・ネビュラ:自身の不幸を“妬み嫉み”に転化するのを止め、有りのままの自分を認める。
・キャプテン・アメリカ:アベンジャーズの頭脳(スターク)との分裂、リーダーとしての責任放棄。その結果の重大を痛感している。
『エンドゲーム』
このタイトルに込められたメッセージは何か?
私はこう思う。
サノスもアベンジャーズも《力》による勝利、《力》による正義という面では何も違わない。
終わり無き『パワーゲーム』を続けているに過ぎないのだ。
自己中心的な正義を掲げ争う時代は、もう『終わり』にしなければいけない。
《逆境にある今の世界》だからこそ、お互いに認め合い、共に未来を切り拓こう!と。
それが、マーベルから地球人への提言だと思う。
【4月27日メモ】
アイアンマン:トニー・スタークの運命について。個人的に解釈です。
初めて登場した時のトニー・スタークは合法的武器商人ともいえる男で、
まさに、大勢の血の犠牲によって頂点を極めたスーパーセレブだった。
だから『アイアンマン』第1作の冒頭でテロリストに襲撃された時
もし死んだとしても、それは自業自得。当然の運命だったように思う。
だが彼は・・・奇跡的に生き残った。
もし、神がいるならば、その《神の采配》はおそらくこうだろう。
「トニー・スターク、今まで人を犠牲にしてきた罪を償え!その頭脳で、人を救って生きろ!」と。
彼は死から蘇ると同時に、その啓示=《贖罪の使命》から逃れられない存在となった。
彼はアイアンマンとなり、ペッパーを救い、アメリカを救い、地球を救った。
そして遂に『エンドゲーム』で、全宇宙の半数の生命を救った・・・与えられた命で総てを救ったのだ。
それは、贖罪から解放される時、永遠の安らぎを得る時。
あの中東の荒野で倒れた時と同じように、焼け焦げた姿で・・・しかし
贖罪を終えた彼はもう孤独ではない。
真の友!愛する家族!そして、彼の後に続くヒーロー達に囲まれ、栄光を得て旅立ったのだ。
それは、ナターシャも、そして罪深き信念に生きたサノスさえも同じ・・・ え?、スティーブ?
彼は戦時中の過去から来た罪なき一兵士。戦争が終わって、故郷に帰って暮らす時が来ただけさ。