2.《ネタバレ》 良かったです。
AIものロボットものの最新の研究成果を超絶前向きな青春エンタメに昇華した作品と言っていいかと思います。そして、土屋太鳳さんの歌の表現が声がのびやかでとてつもなく素晴らしい。声の表現も、ネット上でネタバレがちょっとされてましたが、人工声帯による発音がされてるということで、AI・ロボットなのに、歌うために呼吸の動作をするのが、こだわりすぎにもほどがある。
あと、この手の話でよくあるAI/ロボットには人間的な"意思"を持ち得るのか、という問いに対して、
「そんなのどうでもいい」
観る人の受け止め方によってそのようにも見えるし、まったくそうでないようにも見える表現にしてるのが非常に新しくて、この手の問いに対しては逆説的に、
「そもそも、人間が、自由な意思とか心のようなものが存在してると思ってるのはただの錯覚ではないか」
という話もあって、その辺も踏まえてて良かったです。
AIの深層学習については、ちょっと前にネット上のニュースやSNSの記事の情報などを大量に食わせまくったら、ものすごい毒舌を吐く邪悪な? AI(モデル)ができてしまったのでリセットされたみたいな話が流れてましたが、本作では「前向きで肯定的な指示」によって、こんな素敵なAI・ロボットができるのではないか、という夢物語をエンタメとして非常に肯定的に前向きに提示してるのが、いっそ潔く、気持ち良かったです。
というわけで、最後のオチをわかった上でまた頭から見直すとグッとくる作品でもあるということで、もう1回くらい観たい印象なのですが、地元の上映館ではロングランしてるものの早朝上映しかしてないので時間的に合わなくて観られなくて悲しい思いをしており、マイナー作品の扱いでよくある状況ではあるのですが、こういうロングランしたマイナーな良作を、一般の人が観やすい時間帯に上映できる上映枠を各映画館が設置して欲しいなあと、切望する感じです。
そんなところで。