1.《ネタバレ》 本当にタイムスリップしたかのような時代背景の丁寧な作り込みがとても素晴らしく、原作以上にみっちりと詰め込まれた小沢健二要素の活かし方も秀逸。「過去があるから今がある」というありきたりな主題ではあるものの、ありきたりだからこそオッサンには色々と刺さるものがあり、深く共感出来るものがあります。
呪縛に囚われていた主人公のバックグラウンドについて、どんどん時間を遡っていくかたちで紐解いていくという、ある種の謎解きのようなストーリー運びはとても面白かったです。終盤のラジオから小沢健二の「彗星」が流れ、呪縛から開放されていく展開も本当に良く出来ています 。このあたりの流れやフェイスブックの絡みは、リアル過ぎる原作よりも映画らしくて好きです。そして何の違和感もなく95年まで連れて行ってくれる森山未來さんと伊藤沙莉ちゃんの演技力も圧巻です。
同世代みんなに見てほしいほどの好きな映画です。もっともっと評価されるべき作品だと思っています。