1.《ネタバレ》 舞台挨拶付きの上映というものを初めて観ました。観賞後に役者さんたちや監督さんから、用意されたセリフではない生の声が聴けるのはとても興味深かった。それも踏まえた上で感想を…
直後の舞台挨拶で、「まだ余韻も冷めやらぬ中…」と言っていましたが、本当に余韻を強く残す映画だと思いました。史は本当に小さい子しか愛せない男だったんだろうか。自分の持つ障害のことを最後嘆いていましたが、それが故に大人の女性に愛情を抱けないのか、そもそもそんなことは関係ないのか。ですが変な意味ではなく、少女の更紗を史が優しく接したり時に唇に触れてドキッとする様子はもう男女の仲だと言えるのではないだろうか。少なくとも彼らはお互いを必要としていて、お互いを尊重していて、更紗とリョウのような壊れた関係よりよっぽど健全だと思いました。ただ当時の更紗はまだ少女で、おばの家でそこの息子に悪戯されるような劣悪な環境だとしても、そのおばが保護者でありその管理下を離れて男性と一緒に住めばああなってしまう。自分も腫れ物に触れるような扱いを受け、相手の男性にもとても大きな社会的ダメージを与えてしまう。そう考えると本当に切ない話だと感じた。
個人的に、他人の人生にズカズカ入ってくる人は嫌いです。何の関係もない人の性癖をばかにしたり、誰かの過去をやたらとあげつらったり。その最たるものがマスコミで、私は彼らが嫌いです。最近はスマホでどこでもいつでも写真、ビデオ、録音ができるようになり、マスコミ予備軍みたいな人が溢れていることもかなり嫌。なんでみんなそんなに他人のことに首突っ込みたがるのか、よくそんな時間あるな。私は自分の興味ある人のことにしか時間は割けません。それでも手一杯なのに。
で、そんな私からしたらあんな風に報道されるのはあり得ない。週刊誌って全然読みませんが、あんな風にマンションのベランダや公園で座ってる写真も撮られるんですか?気持ち悪い。もっとみんな自分のことやってればいいのに。
少し現実的な話をすれば、更紗と史も少しうかつかな。リョウに史のお店もバレてる状態で史のお店に逃げ込んでもそりゃああなっちゃうよね。嫌がらせは論外ですが、あのリョウの感じだと刃物持って殴り込んできてもおかしくなかった。史も史で、事実とは違うとはいえ幼女趣味でマスコミにバシバシ写真撮られて住所も特定されてる状況で、あの子を預かっちゃいけないだろう。あの子を守る意味でもそこは考えて欲しかったな。
「君は君のものだ。」そのセリフが好きです。そして自分の所有権を手にした更紗が、「私は史のものだから。」と言うのもさらに好きなセリフです。良い映画でした。