1.《ネタバレ》 念のため《ネタバレ》を付けてますが、皆さんの鑑賞に差し支えないよう、ストーリーの核心に触れないよう気を付けて書きたいと思います。
自分はほとんどのガンダム見てるんですが、SEEDとDESTINY(以降「種」と呼称)に関してはまあ普通かなって感じだったんです。しかしこの映画でああこういう風に結実したのかと、観て良かったですね。とてもいい映画です。
キラとラクスの「愛の物語」です。これだけベタな愛の物語は、自分の中ではヤマト以来。あまりにベタなので序盤こっぱずかしくなりましたが、観てるうちに慣れました。てか気付いたら何度も泣いてました。
情報量が凄い映画です。テレビ1クールかけて描くべきボリューム。シン・ゴジラ宜しくじゃあ早口で詰め込んでしまえといった具合で理解がなかなか追いつきませんが、観終わって振り返るとあまり必要な情報ばかりではなかったと気付きます。取説みたいなもんです。善悪の構図がとても分かりやすい映画なので、ぼーっと観てるだけで何が起きてるかは理解出来ます。
自分のようにもうほとんど種の内容を忘れてしまった旧ファンはあらかじめサイトで誰がどこに属しているかだけ見ておくと良いかも知れません。
逆に種を未見の方は特に予習はしなくてていいと思います。テレビ計100話+特別編と情報量多すぎなので。この映画は表層的に「あー主人公達がこうなるんだ」「あーこいつは味方なのね」「こいつらが悪い事してるからみんなで協力して戦わなきゃ」「うわー戦闘すげー」みたいな感じで大丈夫だと思います。こういうバトル物で最も難しくなるのは大体敵味方の概念とそれぞれの目的なのですが、今回は大変分かりやすく描かれてます。同情の余地はありません。
旧作ではキラの手加減がもどかしいとお嘆きのご貴兄もいらっしゃいましたが、ご安心下さい。今回は全く手加減しません。厳密に言うと手加減出来る相手にはしてるのかも知れませんが、手加減してる暇のない相手には全く容赦してません。痛快です。
シンは序盤相変わらずヘタレですが、安心して下さい。無双しますよ。
個人的には宇宙世紀のモビルスーツの後継機が活躍して楽しかったです。大きな見せ場もあるのでお楽しみに。
戦闘シーンは凄いです。えらい手間かけて作ったなと。新兵器もガンガン出て来て、とんでもない迫力。ぜひ劇場の大画面でご鑑賞いただいた方が宜しいかと存じます。すっかりCGなガンダムにも目が慣れてきましたが、やはりアナロジックに描かれた作画はいいなぁと思った次第。
反省点はと言うと、詰め込み過ぎて「間」を取った方がもっと盛り上がるんじゃないかなって所が結構ありました。今回もムウ・ラ・フラガは奇跡を起こしてくれますが、そこもうちょっとじっくり描いていいんじゃない?とか。とにかくマリューさんもラクスもハイパー大活躍なんで、テレビ12話に分けて1人1話ずつじっくりやってもいいんじゃないかってくらい見せ場が多いです。
そんな訳でマイナスは早口と「間」が欲しいの2点、それ以外は完璧なので8点。しかし早口は前述の通り流していいレベルですので、8.5点。四捨五入で9点です。個人的に劇場版ガンダムの中ではトップレベルの傑作。