2.《ネタバレ》 田中芳樹が描く壮大なSFバトルサーガ「銀河英雄伝説」。
100話を超えるOVA本編を前に、真っ先に観たいのが本作。
田中芳樹の原作はSFのクセにテキトーすぎる描写や設定が多く、宇宙なのに平面的な戦闘とツッコミどころ満載の作品だったが、それでも骨太の人間ドラマと戦闘の凄絶さが魅力。
それをこの映画は、不明瞭だった観戦の造形、空間戦闘、艦隊同士のぶつかり合いを最高最強の作画!
原作の想像を遥かに超えた迫力で描くのだ!
本編の初戦は恒星での息詰まる空中戦。
宇宙での上下空間を上手く利用した醍醐味がある。
登場人物も神がかった作画で描かれる(唇リアルすぎだろというツッコミはこの際ヤボだ)。
自由惑星同盟からは
ハチャメチャな猛将パエッタ、
智将ヤン・ウェンリー、
愛弟子アッテンボロー(原作に先駆けてラオの代わりに登場)、
強運の憎めない艦長のニルソン。
それに対する銀河帝国。
知勇兼備の若き獅子ラインハルト、
それを支える超人キルヒアイス、
頼れる部下のロイエンタール、ミッターマイヤー、メックリンガー、艦長のシュタインメッツ。
土師メックリンガーも素晴らしいが、戸次メックリンガーも気品があって男らしい。
ミュッケンベルガー元帥も面白い役どころ。
これに続く戦いが「新たなる序曲」でも描かれるので、OVAシリーズの前にそちらも先に観て欲しい。