6.《ネタバレ》 はじめは、ありがちな終末パニックものと思って、気軽に借りてみたのですが・・・。観終わってしばらくは立ち直れないほどのインパクトを受けました。全面核戦争の本当の恐ろしさをリアルに見せつけられた感じです。ラストは一応ハッピーエンドといえなくもないですが、設定上、人類は最後には「一人残らず」死滅してしまう物語です。その設定に改めてショックを受けました。人類が生きた証をこの地球で誰も知ることはないという空しさ。
現実問題として放射能に汚染されているのに、本当に太陽の下木々が青々としているのかわかりませんが、その美しい地球の描写が、かえって人間の愚かさを強調していました。役所で安楽死の薬が配布され、それを自分の家族に飲ませるほどの絶望と悲しみは想像できません。家族がいる人は是非観てほしいです。
今なお、核戦争や新種のウイルス等の危険が去らず、この美しい自然の中、愚かな人類だけが死滅していく可能性がありえることを改めて気かせる映画でした。
これを観てから、ネヴィル・シュートの原作「渚にて」と、グレゴリー・ペック主演の同名の前作も購入して観てしまいました。映画としては、前作よりこちらの方が現代版だけに感情移入しやすいと思います。
細かいことを言えばつめが甘いところも沢山ありますが、原作が素晴らしいのと、テーマの重要さでインパクトのある映画だと思います。