天井桟敷の人々のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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天井桟敷の人々

[テンジョウサジキノヒトビト]
(天井桟敷の人々 第一部:犯罪大通り 第二部:白い男)
Children of Paradise
(Les Enfants du Paradis)
1945年上映時間:190分
平均点:7.76 / 10(Review 72人) (点数分布表示)
公開開始日(1952-02-20)
ドラマラブストーリーモノクロ映画ロマンス
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タイトル情報更新(2024-09-15)【イニシャルK】さん
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監督マルセル・カルネ
キャストアルレッティ(女優)ガランス
ジャン=ルイ・バロー(男優)バティスト
ピエール・ブラッスール(男優)フレデリック・ルメートル
マルセル・エラン(男優)ピエール・ラスネール
ピエール・ルノワール(男優)ジェリコ
ルイ・サルー(男優)モントレー伯爵
マリア・カザレス(女優)ナタリー
ジャヌ・マルカン(女優)エルミーヌ夫人
ガストン・モド(男優)絹糸(盲人)
ポール・フランクール(男優)警部
ジャン・カルメ(男優)(ノンクレジット)
脚本ジャック・プレヴェール
音楽モーリス・ティリエ
ジョセフ・コズマ(ノンクレジット)
撮影ロジェ・ユベール
配給東宝東和
東宝
フランス映画社(リバイバル)
ザジフィルムズ(リバイバル)
美術アレクサンドル・トローネ(プロダクション・デザイン)
レオン・バルザック
その他ウィリアム・シェイクスピア(劇中劇『オセロ』作者)
あらすじ
19世紀のフランス。貴婦人の容姿を持つガランスは請われるままに紳士に従う娼婦だった。野外劇の見物中にスリの嫌疑をかけられたガランスを、舞台から現場を目撃した道化師のバティストは無言劇で救う。劇場デビューを果たしたバティストはダンスホールで再会したガランスを演劇に引き入れるが、恋多きガランスには男性ファンがつきまとい、プラトニックな愛しか知らないバティストは手が出せない。一方、女優のナタリーは才能豊かなバティストを熱愛する。ナチス占領下でフランス人の気骨と芸術至上主義を歌った無言の抵抗映画。
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19.《ネタバレ》 様々な所で映画史上最高傑作と評価される作品ですが、今まで見る機会が無かったこの作品をこの度映画館で鑑賞する機会に恵まれた。これ程3時間があっという間に過ぎるという感覚を久々に味わうことのできる映画でした。やはりその評価に違わぬ素晴らしい映画でした。ジャン=ルイ・バロー演じるバチストの入魂のパントマイムを自宅の小さなTVではなく映画館で鑑賞できたことは本当に幸せでした。また、本作を紹介する本や資料に必ずと言っていいほど出てくるバチスト、ガランス、フレデリックの3人が舞台にいる絵を見た時にはこのシーンだったのか・・・と感慨深いものがありました。ナチス占領下のフランスで作られたという伝説の名画。冒頭であらぬ容疑で逮捕されかけるところをバチストのパントマイムに助けられて解放されたガランスの「私は自由が大好きなの」という台詞に代表されるように、さりげない形での意思表示が当時としては精一杯のナチスへの反抗だったのでしょう。そんなさりげなく見せる意思表示やラストシーンのカーニバルに至るまで活気にあふれる街と天井桟敷の人々の生き生きとした描写などの中に祖国フランスとそこに暮らす人々と自由を讃える思いが確かに伝わってきます。
とらやさん [映画館(字幕)] 9点(2009-09-16 01:11:34)(良:3票)
18.《ネタバレ》 この映画が何故名作と言われているのか解る。映画への愛に満ち溢れている。映画を撮るんだ。映画を製作するんだという情熱、思いが伝わってくる。この映画は当時、フランスはドイツの占領下にあった。暗く沈みがちなフランス人の為にフランスの監督が同じフランス人を映画という武器を持って喜ばせたい。楽しんでもらいたいという願いで撮られている。自由への叫び、それはパントマイムという形でしか表現出来ない時のバティストと素顔でのバティストとの両面を描きながら本当の自由とは何か?愛とは何か?というものを見せてくれている。芸人であるが故に、それもパントマイム芸人であるが故に声には出せない苦しみ、一方でパントマイム芸人ではない時に見せる姿が本当の意味でのバティストであるように人は自分の気持ちというものは心の中にいつまでも隠しておくことなどは出来ない。全てを騙して生きることの辛さ、それはバティストだけではなく、お互い愛しながらも一緒にはなれなかったバティストとガランス、ガランス同様、バティストの事を心から愛していたナタリーの苦しみ、別の男と結婚し、男の子が生まれ、その子供にバティストと名付けた事がナタリーの気持ちをよく表しているし、最後に群集の中に消えて行く(去っていく)ガランスの名を呼び続けるバティストの心の叫び、色んな意味でこの映画は男と女の本心、それを全て隠さずに描ききっている作品として素晴らしい人間ドラマである。午前十時の映画祭で観るまでずっと観ないでいた作品である。大きなスクリーンで観て来て良かった。あれだけのスケール感、よく占領下に置かれている厳しい立場であるにも関わらずこれだけのものを撮ったと感心させられた。この映画がフランス人に与えた勇気、希望は我々日本人には想像つかないぐらい計り知れないであろう。
青観さん [映画館(字幕)] 9点(2011-09-10 21:57:17)(良:2票)
17.邦題から貴族のお話しかと思ったらさにあらず。Disk2を先に見るというまぬけな不運のためにDisk2を見ているあいだ中、ガランスは貴族か金持ちで俳優のバティストとの身分違いの恋の悲劇だと思っていた馬鹿さかげん・・・。でも、Disk1の冒頭でガランスの正体はあきらかで、しかもコメンタリーつきの版が借りられたのでドジを補って余りある収穫がありました。高得点をつけた人でも昼メロ風とおっしゃっていますが、この作品はそんな甘いものではありません。ナチス当局の検閲をかいくぐり、かいくぐり・・・スタッフの一人がユダヤ系だったせいもあり、製作者一同、英仏連合軍の進行状況を見ながら、「この頃にフランスは解放される。」と予測された頃にユダヤ系スタッフの名前をクレジットに入れて封切ることに決めたそうです。フランス人(被占領者)にしかわからない抵抗のメッセージを占領者のナチスの検閲官にはわからないようにオブラートに包んでメロドラマにしたわけです。もちろん、ユダヤ系の人のクレジットなしで解放前に封切ってもフランス人には受けたでしょうが、そこは巨額な費用を投じた作品・・・商業的な計算もあって当然でしょう。コメンタリーの全てをここで書くわけにはいきませんが、言葉で語りかけようとする俳優フレデリック以上に雄弁でガランスを救ったバティストの無言劇がヒントです。すばらしい作品だとは思いますが、どうのこうの言ってもやはり、解放後に作られた単刀直入な作品(たとえばHiroshima Mon Amour、邦題は「二十四時間の愛」)のほうがわかりやすいので満点マイナス1点にします。
かわまりさん [DVD(字幕)] 9点(2009-02-28 13:22:19)(良:2票)
16.《ネタバレ》 ドイツ占領下のパリで3年以上の歳月をかけて作られた3時間半の大作。それだけに見所もそれぞれの登場人物にも多くの見方や見所がある。まずバチストのジャン・ルイ・バローのパントマイムの素晴らしさ。これだけでも感動もんです。美貌のガランスをめぐる男たちは悪党、俳優、伯爵とバチストの4人。みなガランスの愛を求め、求められればそれに答えるガランス。でも真実の愛はバチストのものだった。でも純情で臆病だったバチストとガランスはすれ違い。お互いに愛情を確認したときにはすでに妻子がいて、ガランスは身を引いて去っていく。
妻となったナタリーは本当にバチストを理解し愛していたんだし、みな不幸な心と運命ののすれ違いというしかない。
長いけれど見るうちに話に引き込まれる。それぞれの人物が個性的で興味深いし、セリフは哲学的であったりユーモアがあったりと変化に富んで面白い。劇中劇でパントマイムの無言劇やオセロなどセリフ劇も楽しめる。19世紀のパリの賑わいや人々の群れ、歓楽街を背景に繰り広げられる事件や人間模様は今見ても素晴らしいものがあると思う。
キリコさん 9点(2003-11-01 23:29:55)(良:2票)
15.《ネタバレ》 それこそ十数年振りに観ましたが、流石にハタチそこそこの時に比べれば一番肝心な「ガランスの魅力」にも多少は気付き易くなってたかな…と思います。ただまあ、諸々と結構分かり難いキャラではありますよね。そりゃ確かに美人だけど年増(年代を考えれば大年増)てのは、売れない芸人としてはまあ適切かとも思うのですが、男たちがガランスに片っ端から惹きつけられてゆく様子からはどーみても(若い)只の超絶美人(に対する反応)の様にしか思えなくて、かつ彼女自身のあの奔放さだってどちらかと言えば後者(=只の美人)の方にこそより整合しそう…てなモンで。

他に感じたのは、恋愛映画としてのシンプルさ(=それ故のエッセンシャルで普遍的・永劫不滅なクオリティ)と、それを彩るその他諸々のクオリティの「高尚さ」ですかね。かなり長尺な作品ながらガランスとバチストの2人のシーンとゆーのはかなり限定的で、それ自体が2人の関係性の特別さを好く表現していたとも思います。そんな2人の純愛が描かれる世界(世界観)をつくり込むその他の要素については、まずは脚本(台詞)のハイ・ソサエティぶりに今回少しビックリしました(脚本のジャック・プレヴェール氏は本業は詩人なのですね)。あるいは、都度挿入されていく(主に)バチスタ演じるパントマイム・無言劇の芸術性の高さや、そしてそういった美しく洒落た要素を孕みつつもその他の部分では醜悪なサマを確実に垣間見せる清濁綯交ぜのパリ…が舞台だからこそ、2人の愛の純粋さがより際立って感じられる…ともやはり感じるのですよね。

オーラスは、こんなんもうナンも言えねー!ですわね(コレはもう先にやったモン勝ち!てか)。トコロに依っては恋愛映画史上最高!とすら言われる作品てのは、やっぱ伊達じゃないですね。傑作。
Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 9点(2021-12-31 23:18:23)
14.《ネタバレ》 多くの洋画ベスト10(100)で1位に輝いてきた作品。ついに観ました。ガランスを愛する4人の男たちの他、登場人物がすべて自立しており彼らが何かするたび、彼ら、そして彼らのいる世界、つまり作品全体が浮き彫りになり立体的に膨らんでいく感じ。力強い。ディテールがしっかり作りこまれているのに、小細工性は微塵も感じられない。人間ドラマ映画としてその作劇は完璧に近い。他の方たちの感想聴いてたら、人によっていろんな見方ができる奥深さがあるようです。しかしそれは決して曖昧だからではない。ナチス占領下というマイナスがあったからこそ完成された映画とも思いました。今日視聴した自分にとってのマイナスはやっぱ「古い」ってことですかね。それはあくまで時代の差かもしれませんが、やっぱりそこは映画の場合、免れないかもしれない。もっとも私にとってのマイナス要素であって、この作品の欠点では決してない。
シンさん [DVD(字幕)] 9点(2015-06-01 23:55:41)
13.2014.05/28 鑑賞。一言、凄い作品。
ご自由さんさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-08-02 13:03:40)
12.3時間以上にもかかわらず、とても楽しめました。バチストのパントマイムは今見ても、高度なテクニックではないかと思います。ラストが印象的でした。ヒロインのガランスにむけた、ナタリーの名台詞は感動的です。
クロエさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-05-29 01:22:25)
11.とにかくセリフのセンスが素晴らしいですね。3時間以上の大作ですが、だれることなく鑑賞できました。第二次世界大戦中に制作されたというのもすごいです。フランスの気概を感じます。
川本知佳さん [DVD(字幕)] 9点(2014-05-24 15:57:38)
10.《ネタバレ》 第二次世界大戦下のパリで作られた傑作。
ナチスの支配下でも「映画まではナチスに奪われちゃいない」と叫んだ映画だ。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-05-18 15:41:25)
9.《ネタバレ》 映画通の人がやたらナンバー1映画にあげる3時間をこす大作とあらば身構えてしまいますが、想像以上に良かったです。白黒なのに派手さがあって、3時間という長丁場にも拘らずグっと魅せられてしまい、とにかく隙のない映画だと思いました。
愛するだけでも、愛されるだけでも幸せになれず、愛し合っていていても遠く離れてては幸せになれないんですね・・・。切ない。幸せになりたい。と乙女な気持ちになりました。
すべからさん [DVD(字幕)] 9点(2008-06-18 18:38:47)
8.《ネタバレ》 何度目かの鑑賞になる。最高。この一言。恋愛って理屈じゃあない。客観的にはおろかな恋だけど、仕方ないんだね。一言だけ不平を言うと、そのおろかさ・滑稽さを描くのに、たとえばルノワールが『ゲームの規則』でやったみたいなユーモアがこの映画にもあれば、満点だったんだけどなあ。ないものねだりをしても仕方ない。今のままで十分面白いし、愛すべき作品であることには変わりない。
ちなみに、当時は、せりふ劇を上演できる劇団は、お上から直接許可を取った劇団だけで、それ以外の劇団がせりふを入れてしまったら上演は中止になってしまった。だから、バチストのいるパントマイム劇団が、罰金まで課して舞台上でせりふをしゃべることに神経を尖らせていたわけ。また、パントマイム劇団からシェイクスピアの『オセロ』が上演できる劇団に移籍したフレデリックは、つまり、それだけ出世したってことでもある。何せ、お上のお墨付き、ってことだから。
いのうえさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-09-23 21:46:30)
7.ラストシーンが頭に焼き付いて離れません。いやはや、良い映画ですな。
トナカイさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-10-25 22:54:55)
6.製作された時代背景を思うに、いや思わざるとも、この作品全編に漂う熱、熱気は大変なものだ。60年の月日が経過しようが、新鮮で瑞々しい輝きは色褪せずに熱をおび続けている。だから3時間の長丁場であっても、一気に鑑賞させてしまう。アルレッティがただのオバサンであってもミスキャストであっても、全然OK!あの劇場の舞台、楽屋、天井桟敷から溢れ出しそうな観客、セットの隅々に至るまで生への情熱が迸っています。
よし坊さん [DVD(字幕)] 9点(2006-10-15 23:22:42)
5.贅沢な贅沢な映画である。極めてわかりやすい形のメロドラマであるにもかかわらず詩人ジャック・プレヴェールのオシャレな脚本が人物に息吹を与えることに成功しているだけでなく、当時の様子を忠実に再現したであろう巨大なセットによる素晴らしい美術に圧倒されることは間違いない。長丁場を感じさせないテンポのよさ、舞台と実際のストーリーが交錯しながらラストの別れへと向かう。このラストシーンでは、それまでは少人数の人間が中心となって動いていたストーリーに、突然大衆が割り込んでくる。そういえば「もののけ姫」でも、サンとアシタカを引き離したのは結局のところ兵士の大軍であったように(これは監督の意図であったそうだ)運命という巨大なうねりが個人に降りかかるというのは結末への口実として一見都合が良い手段に思われそうなものだが、こういう開き直りは個人的に結構好きだったりする。フランス流時代劇として必見の一本といったところか。
Qfwfqさん [映画館(字幕)] 9点(2005-01-20 19:10:55)
4.何気ない台詞回しが小粋でエスプリが効いており、本当にそれだけで魅せられてしまいます。各キャラクターもしっかり描き分けられ、魅力的に色づけされています。難を言えばややテンポが緩慢な気もしますが、観ているうちにそのテンポが心地よく思えてくるから不思議でした。たまにはクラシックも悪くありませんね。
Kさん 9点(2004-08-12 01:45:41)
3.《ネタバレ》 名台詞、パントマイム、キャラクター、画面、その全てが素晴らしい映画。長さを全く感じさせない場面展開。フランス映画って面白いんだ、と気付かせてくれた一作。これが戦時に作られたという所に、フランスという国の文化に対する高貴なプライドを感じる。だけどス筋書きはやはり古い映画らしく陳腐。ラストが、どうしても納得いかない。三人が三様に不幸になって終わるかんじ。マリア・カザレスが哀れすぎる。戸口に佇んでた子供が可哀想。そしてそのまま終了。あれはどうなの?
ともともさん 9点(2003-08-21 17:58:12)
2.フランス映画の良さ。名台詞のオンパレード。ハリウッドには絶対まねできないフランス映画の金字塔。ちょっと長かったので一点マイナス。
けいさん 9点(2003-05-04 23:33:28)
1.ジャン=ルイ・バローのパントマイムだけでも観る価値ある。物語も、フランス~って感じの空気を漂せながらも重すぎず、長さを感じさせない。バチストのは美しい。
さみーさん 9点(2003-05-02 23:18:13)
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【点数情報】

Review人数 72人
平均点数 7.76点
000.00%
100.00%
211.39%
311.39%
411.39%
568.33%
6811.11%
71115.28%
81318.06%
91926.39%
101216.67%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.66点 Review6人
2 ストーリー評価 8.80点 Review5人
3 鑑賞後の後味 8.83点 Review6人
4 音楽評価 8.75点 Review4人
5 感泣評価 9.00点 Review4人
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【アカデミー賞 情報】

1946年 19回
脚本賞ジャック・プレヴェール候補(ノミネート) 

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