4.ギラギラしてて、ヤクザで、粋がりで、凶暴な、それなのに説明できない郷愁を感じさせる男を、まだ若かった渥美さんが完璧に演じている。水を得た魚のようだ。一見、何の思いやりもないように見えるけど、それだけにマドンナに振られて、泣くだけ泣いた後の、潔いサッパリした寅が、可愛そうになる。とにかくこのシリーズには、どれだけ励まされ、泣かされ、笑わされたことか、それで充分。マンネリ?ワンパターン?それって大勲章。マンネリになる以前に飽きられてしまう映画わんさかあることを考えれば、大衆に、あれだけ支持され、いまだに新たな(それも若い)ファンが増えているという事実で充分。山田監督、スタッフ、渥美さんやキャストのみなさんに「有難うございます」と最敬礼したい。 【ひろみつ】さん 9点(2003-03-01 16:18:38) (良:3票) |
3.《ネタバレ》 これがあの伝説のシリーズの第一作目ですか。何を隠そう僕は今まで寅さんの本名が寅次郎ということも知らなければ、演じている俳優さんが渥美清という名前であることすら知らなかったのですが、テレビで延々と繰り返し放送されている作品群の様子を見て「このシリーズは絶対にいつか最初からちゃんと観たい!」と思い、今回ようやくその願いが叶いました。大満足です!最初は寅さんのキャラクターが想像していたのと大分違い、何だかとても身勝手で薄情なイメージがあったのですが、後半恋に破れるところでは不覚にも男泣きしてしまいました。もう「男はつらいよ」と言うよりも「寅さんはつらいよ」という感じです。喧嘩に別れ、再会に旅立ち、そして純愛に失恋とこの映画には人生の全てが詰まっているような気がします。考えてみれば自分が小学生の頃に渥美清が亡くなって、皆「寅さんが死んだ、寅さんが死んだ!」と騒いでいたことを思えば、それほど国民に愛されていたキャラクターなんだなぁということが分かります。ようし!こうなれば自分もこれから寅さんの後に付いて行くぞ!しっかし笠智衆の「バター」には笑ったなぁ。 【かんたーた】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-08-13 00:16:51) (良:2票) |
2.《ネタバレ》 「男はつらいよ」は30本以上はみていると思いますが、これを見たのは初めて。シリーズを沢山見てからコレを見たほうが感動は大きいのかも。とてもスピード感とテンポがあります。寅さんがネクタイして革靴を履いている。さくらがOLをやっている。さくらがとらやの2階に住んでいる。さくらが出て行く博を柴又駅まで追いかける。というシリーズ後ではありえないシーンが満載。そしてさくらと博と結婚して満男が生まれる。おいちゃん、おばちゃんの他に、寅さんはさくらの「お兄ちゃん」であり、博の「兄さん」であり、満男の「おじさん」なわけです。このファミリーなくして「男はつらいよ」はありえない。結婚や出産によって家族・親戚が増える。寅さん自身は絶対的な存在であるが、一方各々の家族によって多面的に相対化されていく。まさに伝説のスタートにふさわしい作品です。 <追記>15年ぶりに再見。この後何回か出てくる寅さんの博モノマネが最高に面白い。川甚もコロナで廃業になってしまい、時代の移り変わりをあらためて感じる。マドンナはよく言えばサッパリしているが、悪く言えばちょっと素っ気無いかな。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2006-04-16 02:15:27) (良:1票) |
1.さくらが寅に結婚の承諾を得るところと、妹の披露宴でひろしの父親に食ってかかろうというのが挫折してしまうところに思わず貰い涙。おいちゃんは森川信以外に考えられません。 |