8.《ネタバレ》 これほどの名作にたった4人しかレビューしていないとは、何をしとるかレビュヤー諸君!そういう小生も初レビューから2ヶ月経ってしまっていますので偉そうなことは言えませんが・・・。まずは先輩レビュヤーにお礼から。『なるせたろう』さん、勇気のいるレビュー1番乗り、ありがとうございます。『Rei』さん、同感です。『みかん』さん、私もあんな奥さん欲しいです。『しったか偽善者』さん、その気持ち分かります。さて肝心のレビューですが、まずオープニングでのムーンライト・セレナーデ。これだけで涙線が緩みます。でも決して『お涙頂戴』的な作品ではありません。ウィットに富んだ会話。軽快な笑い。そしてジャズ!。言うこと無しです。ラストでミラーが死んだことを伝えられてラジオ放送を待っているときにチェミーが言います。『グレンが死んでもグレンミラー楽団と、その音楽は永久に不滅なんだ』泣かせるセリフじゃありませんか!そしてラジオからヘレン(ミセス・ミラー)の1番好きな曲、『茶色の小瓶』が響きます。グレンが彼女に贈る最高のクリスマスプレゼントです。そのとき彼女は、かつて彼女が言っていた『ステキなことがあると首の後ろがピンとなる』ことを確かめるように、手を首の後ろにやりながら、女神のような微笑を見せてくれます。悲しいストーリーですが、あの微笑で悲しさが浄化される、そんな素晴らしい映画です。 【pony-boy】さん 9点(2003-12-20 00:51:05) (良:3票) |
7.《ネタバレ》 前半がミラー・サウンドができるまでの苦闘時代、後半でその展開と、第1部が芝居・第2部がヒットパレードの、新宿コマ劇場演歌歌手公演を思わせるような構成だけど、後半にも映画としての工夫があり、飽きさせない。戦時下の英国での“イン・ザ・ムード”の野外演奏シーンなんか、並行して敵機の襲来、撃墜、聴衆が伏せて立ち上がる、というドラマも織り込み、それが曲の強弱と重なるように工夫されていて、ミュージカルのような効果をあげていた。音楽だけに映画を譲り渡してなるものか、という映像職人の意気込みを感じた。前半に伏線を揃えておいてから後半に移っているので、それらの曲を聴いているとき、観客は前半の具体的な映像(J・スチュアートが電話を掛けているシーンや、質屋で真珠の首飾りを見ているシーンなど)を思い起こせるのだ。映画全体が記憶とともに湧き返ってくる感じ。転換点となる“ムーンライト・セレナーデ”の編曲が仕上がっていくシーンなんか、ホントにうまい。J・スチュアートってアメリカ人の理想像なんだと思う。こんなであったらいいなとアメリカ人が思い続け、しかし現実にはそうはなれなかった、はにかみ屋でナイーブな自画像なのだろう。大袈裟かもしれないけど、私はこの映画にアメリカのエッセンスを感じてしまうんです。/2013/3/2追加。最初のデート、グリークラブが歌う「茶色の小瓶」が聞こえてくる場で、ヘレンが「感動すると首の後ろがゾクッとするの」てなことを言う。首の後ろに手をやる仕種は、その後も映画の要所要所に置かれ、そしてラストシーン、彼女が静かに微笑んで首の後ろに手をやる。ラストの感涙必殺技は音楽とジューン・アリスンの微笑みのダブルパンチに加え、この抑制された仕種も効いてるんだ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-10-05 12:16:16) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 子供の頃は『ゴジラ』で泣いたのに、人間がすれてきたためか最近は涙を流すことの少なくなった私の涙腺を刺激した映画。音楽の素晴らしさは当然なんですが、愛に溢れた人間の良心みたいなものに触れさせていただきました。さすがジェームズ・スチュアート(が出ている作品)!ありがとう、ありがとぅ~っ。奥さんの魅力については↓のお二方が書かれていますが、さらに付け加えて。夫が自分の楽団を作りたいけれど金がない、ってときにサッと出すんですよ。彼女は。旦那の財布から少しずつ抜いたお金を貯めておいて。彼が楽団を作るって信じていたんですよね。私が欲しいくらいです。そんな奥さん。でも大志のない私は金を抜かれると怒っちゃうでしょうが。それから、ムーンライトセレナーデのアレンジが違うと呆然とする場面も好きです。私的にはあのアレンジもそれなりにいいんですが、でもやっぱり切なく奏でてほしいですよね。処女演奏なんだから。あくまで控えめに、それでも強さと優しさを持っている素晴らしい人だと思います。人間の愛、夫婦の結びつき、仲間との結束ってものには国境がないんですね。アメリカ映画っていうだけではもったいない。人類映画のような印象を受けます。ただ『素晴らしき哉、人生!』と違って、クリスマスの夜には観たくない映画です。あまりにも哀しい結末なので。 【元みかん】さん 9点(2003-10-21 04:20:39) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 功成り名を遂げた人物の伝記映画として、ごくオーソドックス且つウェルメイドな作品だと思います。楽曲の挿入方も実に的を射た場面で流され申し分ない。脚本の要所要所での「省略方」も巧い。首の後ろをさする仕草の伏線も効いている。でも、何よりこの映画の魅力を二割増し三割増しにしているのは、『甦る熱球』(8点)以来の、ジェームズ・スチュアート&ジューン・アリスンコンビの、呼吸の合った素敵な夫婦っぷり。このお二人が揃って画面に登場すると、もはや役を演じているように見えない。これってホント凄い事だと思う。小柄な彼女がノッポの彼を、顎を上げじっと見上げるシーンだけで、一幅の絵になるというか、特に悲しいシーンでもないのに、自分は眼がウルウルしてくる。何故だろう・・・不思議。主演作が数多いJ・スチュアートと、特にお似合いだった相手役は誰だったんかなあと、ふと考えてみた。私見では、ジーン・アーサー(スミス都へ行く、我が家の楽園)ドナ・リード(素晴らしき哉、人生!)そして栄えあるナンバーワンは、誰がなんと言おうとこのJ・アリスン!このお三方ではないかと勝手に決めてみる。異論は大いに結構。決してグレース・ケリーやキム・ノヴァクではなく(映画としての評価は別)彼女たちの共通点は、揃ってアメリカの女優にしては小柄な事、ハスキー寄りの変わったヘンな声質の持ち主だという事。今一本、同監督作『戦略空軍命令』というコンビ最終作があるようなので、これも機会があれば近々鑑賞してみたい。♪ブギウギだけが俺のララバイいい夢みるぜ~ピカピカのパラダイス~キラキラのパラダイス~♪←『瀬戸内少年野球団』テーマ曲「イン・ザ・ムード」より。結構好き。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 9点(2022-07-26 22:46:06) |
4.《ネタバレ》 これは音楽ものであると共に恋愛映画としても観ることが出来る。グレンミラーとヘレンミラーの二人を演じている俳優がとにかく良い。特に奥さん役のジューン・アリスンこそ男にとっての最高の奥さん像であること間違いなしである。そのぐらい素晴らしすぎて、あのラスト、戦地に消えて行った亭主、グレンミラーのことを思いつつ、ラジオから流れてくる音楽を聞く姿、ここは絶対に涙無くして見れない。単なる音楽映画という枠を超えている素晴らしい映画であり、一人でも多くの方に見て欲しい作品として外せない映画であります。 【青観】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-07-24 12:21:08) |
3.《ネタバレ》 ジャズに興味がなくても、この映画は大好きですね。名曲ムーンライト・セレナーデの曲名が、ムーンライト・セレナーデであるということをこの映画でやっと知りました(笑)。相変わらずジェームズ・スチュワートは純朴な青年役がうまいですね。音楽に生き、音楽で死んだものの、音楽の中で生き続ける。偉大な作曲家だったんですね。ありがたいことにこの映画のDVDには吹き替えがありますので、観やすいですよ。 |
2.あったかい感じのするとても好感のもてる映画です。万人にお勧めできます。ハタチ過ぎてジャズ聴くようになったんですが、聴きはじめの頃、これ観たあとで速攻でCDレンタル屋に走りました。 【しったか偽善者】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2003-12-18 00:16:33) |
1.すごくせつないストーリーなんだけど、名曲にふさわしい軽快なテンポと明るさでさらっとみせてしまうところがさすが。夫婦の会話もチャーミングで微笑ましく、古き良きアメリカってこういうことなんだろうな。ジューン・アリソン演じるところの妻は最初、ん?っと思うほど地味で自分の意思ってものが感じられ無い娘さんに見えたけど、結婚してどんどん魅力的になってきて、白いドレスに真珠のネックレスをした姿なんて彼女自身がまさに真珠。 【Rei】さん 9点(2003-08-19 00:00:37) |