1.霊媒師に憑依してほしい人物は誰かと聞かれたら、私は今ならプレストン・スタージェスの名をあげるかも。練られた脚本、突然のドタバタ、ナンセンス・・・ストーリィとギャグが押しくら饅頭をしているかのようなせめぎあいと調和にただただセンスを感じるばかりです。さて、この作品もマクリーとコルベールの恋愛模様を軸にしながら、列車内の大騒動などドタバタが展開されます。「或る夜の出来事」とは逆に、コルベールはニューヨークからマイアミへ脱出を図りますが途中、カバンや着る物をなくしてしまうのはよく似ています。また「或る夜~」をそのまま下敷きにした台詞やショットで見る者をニヤリとさせてくれます。シグ・アルノ演じるトトなる人物が突然現れるシーンの数々にもこれまたニヤリです。ラストにもちゃっかり並んでるしね。そのラストのオチですが・・・ここはオープニングのクレジットにかぶせられるシーンにきれいにシンクロしておりまので、ラストを見てからもう一度オープニングを見ることをお勧めいたします。また登場するソーセージ王、〝だからソーセージ王だったのか〟となるのは単なる偶然ですがよく出来た偶然です~。それはさておき、製作62年目でも面白いものはやっぱり面白いんですね。