3.1981年の作品。この頃のアメリカって、女子プロレスの興行なりタイトルなりはあっても、まだ「女子プロレス団体」ってのは無かったのでは。日本の方が進んでたのです。
というワケで、女子プロレスラー2人とそのマネージャーのオッサン、という3人組が織りなすロードムービー、人間模様。ほとんど、旅芸人みたいな感じ。いや、ちゃんとした団体に所属してたって大変だとは思うけど、完全フリーランスで、これじゃあトレーニングなんてマトモに出来ないでしょ。
客層も何だか下品で、ちゃんと試合をみてるんだかどうなんだか。そりゃま、今ほどハイレベルな試合でもないし、どうしてもイロモノ扱いされる面はあって。意に沿わない泥んこキャットファイトをやらされる屈辱も。
しかし「そんな彼女たちだってリングを降りたら普通の女の子なんです」みたいな描き方はこの映画ではなされていない。時には弱さが垣間見えても、根底にあるのは奇妙な逞しさ。いい加減極まりないようなピーター・フォークもまた彼なりの逞しさを持ってて、何とも言えぬバランスを保ってます。
そしてクライマックスのタイトルマッチ。先にも書いたように、試合のレベルは高くはないのですが、この試合を20分くらいかけて、これでもかと描きまくる。演出も見事ですが、演じ手の熱意も伝わってきて、試合に引き込まれ、圧倒されます。