8.これぞドキュメンタリー映画の醍醐味! 特に、群馬での地域住民とオウム信者の交流を映像として見る事ができたことはすばらしいことだと思います。また、「答え」を提示するのではなく、矛盾しまくりなオウム信者や地域住民の行動や発言をそのまま見せることで、わかりやすい解答に安心するんじゃなくて、考え続けること、試行錯誤することの大事さ、そして想像力を鍛えることの大事さが伝わってきます。その一方で、「A」の主役だった荒木さんが、どこか虚ろなイメージだったのが気がかりです。小さな希望の光のようなものが見える反面、どんどん彼らを追いつめている大状況が恐ろしく感じました。 【ころりさん】さん 9点(2004-03-07 13:59:00) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 ある信者は「宗教団体だから心の病を持った人が集まる。彼らを拒んだら宗教ではない。」と言った。オウムが正しい宗教団体だったとは言えないが、この主張は正しい。日本は宗教立国ではないわけだからなおさらだろう。 しかし、オウムの教えに答えを求めてしまった彼らは愚かだと、言ってしまっていいのだろうか。たまたまオウムは人殺し集団になってしまったが、中で信仰を深める彼らは、こんな時代なのにもかかわらず宗教に救済を求めていたわけだ。それはわれわれが忘れていたことなのではないか。食べ物に手を合わせるだとか、お地蔵様に手を合わせるとか、「祈る」ってことをわれわれはおろそかにしてはいないだろうか。 信仰を持つと言うことが実は人らしい幸福に繋がるのではないかと、薄く感じた。 |
6.オウムと近隣住民の話をしたら、父親に烈火のごとく怒られました。「お前はメディアに毒されている!」「森?誰だそいつは?他に何撮ってんだ?」なんて。「ドキュメンタリーは嘘を付く」でも言っていた通り、この映像も所詮森氏が作った恣意的作品なのかも知れません。でも世の中ってそんなに簡単なものじゃないし、本当に微妙なバランスで成り立っているんだなぁと色々と考えさせてくれます。「A」より大衆向けと言うか見やすかったです。感想は「A」と一緒です。「A」とセットで、一度は見るべき良作です。 【Kの紅茶】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-01-12 12:42:01) |
5.監視する側だった住民と心を通わせるオウム信者の映像がなんとも温かい。数年間の苦労で疲れきった荒木さんも心配です。性欲を正直に告白する信者。なんとも人間くさいじゃないですか。普通に暮らす信者と狂気じみた住民。正常なのはどっちなんですかね? 【バチケン】さん 9点(2004-11-18 20:40:38) |
4.「A」よりも焦点が絞り込まれた感があります。森達也さんスゴイです。関連書籍も読みましたが、テレビ局から『アンタのやり方じゃ数字は取れない』と言われて契約を打ち切られて、自主制作というかたちで撮影を続けて、資金繰りも苦しくて、・・・。この人が、特別にジャーナリストとして才能があったとか人脈があったとか、そういうんじゃないと思う。この人はただ諦めなかったんだなぁ。そのおかげで今こうして我々はこのフィルムを見られたんですから。アリガトウ。 【キュウリと蜂蜜】さん 9点(2004-07-10 22:08:35) |
3.《ネタバレ》 オウム対右翼の絵だけで9点献上できる。前作に比べより焦点が絞りこまれ、それは監督の立ち位置が明確になったことを表しているのだろう。これは、コメディ映画だ。 |
2.今われわれ日本人が北朝鮮に対して抱いている嫌悪感や、マスコミの対応についても考えさせられる。まさに、日本人は戦前の大政翼賛会のように一度見方が決まるとその見方を決して変えようとしないのだと感じた。さらにマスコミは、それをどんどんあおる。 【孤島の鬼】さん 9点(2004-02-29 18:50:29) |
1.Aの続編ですが、合わせて4時間ぶっとおしで観てしまうほど熱中した作品です。コンセプト、何を伝えたいのかはっきりしないところの多かった「A」に比べて映像的にも観やすくなっているし、解りやすくなっていると思います。荒木浩氏は、なんだかずいぶん老けたように見えますが、やはり心労と食事面が厳しいのでしょうか?「A」からの変化にちょっと驚きます。右翼の登場するシーンなど、ドキュメントにしても凄いなと感心する、ビックリするほどの取材能力です。アレフ側のみじゃなく、もっと広い視野を取り入れているところなど、前作よりもグレードアップしている感もあります。それにしても、これは考えさせられる作品です。是非、是非おすすめ。 【fero】さん 9点(2003-11-23 20:44:33) |