1.《ネタバレ》 「ワイルドバンチ」と「アパッチ」をクソ味噌にして混ぜたような紛らわしい邦題。
どうして素直に「ウルザナス・レイド」というタイトルを付けられなかったのか疑問である。
タイトルはともかく、内容はアパッチと騎兵隊の死闘を描いたアルドリッチらしい作品。
女っ気の無い、かといってマカロニ・ウェスタンほど凄惨でも無い(血だるまが出てくるくらいだ)、アルドリッチが描く男のドラマ。
実際に起きたウルザナの襲撃をリアルなタッチで描いた骨太な作風。
暴力に直面した時の人間の恐怖と憎悪が生々しい。
一見すると典型的なインディアン掃討物に映るかも知れないが、西部開拓時代の終わり、インディアンたちの反撃の終焉、騎兵隊の戦いの終結・・・様々な終わりの足音が聞こえてくる。
インディアンと白人の問題に深々と迫った内容でもあり、異なった立場の駆け引き、同じ人間として向き合おうとしたマッキントッシュの生き様が特徴的だ。
冒頭15分間の「嵐の前の静けさ」、
そこを過ぎてからの残虐さと残酷な殺し合い。
周囲が見えない小屋の中で聞くラッパの音が怖かった。
中盤の馬上での追撃、
終盤の谷間での銃撃戦など充実した内容。
特に危険と解っていて、あえて谷間に突き進んだ「賭け」の場面。
長年インディアンと戦ってきたマッキントッシュは引退した後の実りのない老後、壮絶に散るインディアンたちへの憧れに似た気持ち、とにかく死に場所を求めていたのかもな。
「ヴェラクルス」で初々しかったバート・ランカスターも今では老骨に鞭くれる老将として登場する。
ラストのランカスターが何とも言えない。