1.《ネタバレ》 成瀬巳喜男のやるせないドロドロ全快な傑作「稲妻」。
登場する兄妹は全員父親がバラバラ。
この時点で「(゜д゜)」である。流石成瀬初っ端から残虐だ(褒めてる)。
更には突然落雷が起こるように次々と家族に不幸が訪れる。
拍車をかけるフラストレーション・・・爆発した怒りの「叫び」は雷雨の如く家族を嬲り合う。
ただ稲妻は同時に恵みの雨をもたらす。
暗闇を一瞬でも照らす稲妻は希望の光でもある。
そして嵐で生き残った者には肥沃な大地が待っている。
嵐で荒れた大地を人の手で豊かにしていくように、彼らもまたそれぞれの希望を胸に新しい人生を初めていくのだろう。
清々しい作品だ。