10.《ネタバレ》 いやまったく、見ごたえのある作品でした。特に撮影が素晴らしく、美しい風景を堪能しました。モーリス・ジャールの音楽も美しい。あと、画面外の音を頻繁に使った演出がおみごとで、ここは特に感心しました。 物語としては、古いコミュニティである田舎町の偏狭さ、一つのことにとりつかれた集団の恐ろしさがよく出ています。これについては「ライアンの娘」という題名そのものが技ありというか、これだけをとっても奥深いものを感じさせます。マイケルはシェイクスピアなどの道化の影響があるのかもしれませんが、私もシェイクスピアに関しては詳しくないのでよくわかりません。しかし、そういう方面から考察してみると、また面白いかもしれません。ほかにも、チャールズがベートーヴェン好きで最後まで蓄音機は手放さないとか、なかなか用意周到な人物配置で、こういったところから重厚さが現れているのかもしれません。 以前から関心があって一度見てみたかったのですが、劇場で鑑賞できたのは幸いでした。こちらの予想を上回るみごとなできで、たいへん満足できました。 【アングロファイル】さん [映画館(字幕)] 9点(2015-07-07 21:41:06) (良:2票) |
9.寒々としたアイルランドの風景の中、敵対するイギリス人将校と、人妻の燃え上がる恋、ただの“不倫ドラマ”ではないというのが、率直な感想です。主人公・ロージー役のサラ・マイルズは、美人ではないけれど、内に秘めた情熱的な役がとても似合っていると思います。逢瀬のシーンの美しさ、有名なリンチシーンの凄惨さは必見です。 【リリー】さん 9点(2002-10-26 18:09:03) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 モハーの断崖から日傘が落ちて行くファーストシーンから惹き付けられます。 美しいアイルランドの風景をバックに織りなす映像が素晴らしい。特に荒れ狂う荒波の中で武器を回収するシーンは、CGなしの本物の迫力があります。 不倫がばれても続けてしまうロージーにはオイオイまだやるかって感じだが、登場人物の心理の変化はとてもよく理解できた。 小さな集落の集団心理は恐ろしいけど、いきすぎた村人の行動を戒める神父役のトレヴァー・ハワードが非常にいい味を出している。 この映画を見てからアイルランドを旅してみたくなった。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-07-18 00:15:55) |
7.肉欲が原因か・・・。そら経験の無い神父には分からんやろな・・。 【ケンジ】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-07-14 22:29:34) |
6.理屈や類型に当てはめて考えるべき作品ではないと思います。色々な意味で生涯忘れ得ない一本です。 【K】さん 9点(2005-01-20 12:41:34) |
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5.D・リーンってこんなにテクニシャンだったかと驚かされました。迫力があるロケーション撮影の効果も十分出てるし、大自然を捉えたカメラも秀逸だし、3時間はあっという間(あ、いえ、正直に告白すると3日かけて観ました)。オスカーを獲ったJ・ミルズの演技も凄いが、クリストファー・ジョーンズがいいね。僕がロージーだったら....やっぱり...クラクラきちゃう。*一部不適切な発言があったことをお詫びいたします。 【nizam】さん 9点(2004-03-08 18:16:01) |
4.初見は中学の時。TV放送されていたのですが、この作品を観るには幼なすぎた私。はっきりいってつまらなかった。それから20年後再見する機会に恵まれました。サラ・マイルズ演じる人妻の、わかっているのにおさえきれない気持ちが理解できました。誠実で真面目な夫に不満はないのだけれど満たされない想い。彼女はとても情熱的な女性なのね。生まれた場所、時代が彼女にとっては不幸だったといえるのかもしれません。アイルランドの寒村、荒く打ち寄せる波の風景が素晴らしい。彼女の想いと荒い波がシンクロしてしまいました。 【envy】さん 9点(2003-12-05 23:47:28) |
3.みでじゃさんと同意見。私もリバイバルで見て、圧倒されました。この感動が再現できるはずがないと分かっているので、LDを買わずに我慢し続けてきました。ロレンス並みに高画質のDVDが出れば買ってしまうでしょうが・・・この映画のジョン・ミルズの演技は神業です。 【れお】さん 9点(2003-05-26 01:14:23) |
2.ジョン・ミルズ演じるマイケルが印象に残る。ロージーにとって正の異人が英国少佐とするなら、負の異人が白痴のマイケルといえるのではないだろうか。同じ足をひきずり、村人の中で最初にこの少佐と出会い、ロージーと少佐との浮気のきっかけを作り、最後には少佐の自殺の武器を提供したり・・・。随所に顔を出す神父はさしずめ聖の異人といったところか。またラストでロージーがあれだけ忌み嫌っていたマイケルの頬にキスをするところが意味深。この映画を共同体と異人との関わりといった観点で見ると非常に味わい深く考えさせられる。 【スリム小池】さん 9点(2003-05-02 16:52:13) |
1.観ているあいだ、ロバート・ミッチャムは寝取られ亭主の役か、損な役だなぁ、と思って観ていたが、終ってみるとこれはミッチャムの一心の愛情の映画なのだとわかった。ロバート・ボルトはなんといい本を書くんだろう。モーリス・ジャールの音楽、リーンの演出も素晴らしい。神父役のトレヴァー・ハワードもいい。 【アンドロ氏】さん 9点(2002-12-13 00:06:36) |