1.《ネタバレ》 2回見ました、確認したいところも数々あったし。ジュード・ロウの表情に深みが感じられなかったのがマイナス1点。それ以外は満足できるものです。全体的な評価はほかの皆さんが書かれている中にありますので、個人的に気になってることだけ。
南部10州(後にプラス1)でのネイティブ・アメリカンに対する感覚。結果としてしか描かれていませんけど、コールド・マウンテンからクレーターの戦いに従軍した人の中にネイティブ・アメリカンの人がいました。ディテールが端折られてるのでよくわからないのですが、非常に親密な感じが漂っています。南部は制度として黒人を奴隷としていましたが、ネイティブ・アメリカンをコミュニティーに受け入れていたのでしょうか?ネイティブ・アメリカンと白人の問題とそれに対する白人の葛藤は「ラスト・サムライ」「オーシャン・オブ・ファイアー」のレビューでも書きたいと思ってることです。それからこの作品には奴隷の実際が一カ所を除いて映像として登場しません。意図的なものでしょうか?
私、アパラチアン・ミュージックに興味を抱いていて「歌追い人」も観ましたしそのサントラも手に入れたのですが、実はアパラチア山脈周辺に定住する人たちってのがいまいち理解できないのです。コールド・マウンテンのように集落を作って生活するならまだわかるのですが、森の中に住んでるおばさんは? たぶん北アメリカにはそんな人がいっぱいいるんでしょうけど、彼・彼女の来し方がとても気になってそっちに関心が行ってしまいます。でも素敵でしたね、「オーガニック」ってああいうことを言うんだってことがよ~くわかりました。
60年代後半のR・L・フロストの作品や、B・C級ホラーにあった“南部”は私たちにとって絵空事ですけど、考えてみたら彼の地では歴史なんですよね。ピューリタン、アングロサクソン、山師が入り交じった状況に、もともと住んでいた人たち&政治状況というスパイスを振りかけると、のっぴきならない状態が生まれるという“まるで現実”を見ているような…
ロケがルーマニアだったって知ってちょっと興ざめですけど、自分のスタンスと近い考え方の作品を観てちょっと落ち着きました。世の中うんざりすることが多すぎて。