4.《ネタバレ》 これはキートン映画の中でも1,2番を争う面白さ。
後ろをチラ見する運転手から逃げようと、車を乗り移るシーンはキートン映画ではありがちなアクションなんですが、「おぉ~スゲェ!!」という驚きと「相変わらず馬鹿やってんなぁ~」というホッコリした笑いとが湧いてきて、やはり毎度のように楽しませてくれます。
驚きというのが大事なポイントで、笑いというのは多かれ少なかれ驚きを含んでいなければならないわけですので、そういう意味ではとても良く出来た笑いと言えるでしょう。
完成した家で繰り広げられるネタに関しても、コメディ映画の中だから許されるような常軌を逸したものばかりで、これまた良い。
キートンを追いかけていた男が2階のドアから外に吹っ飛ぶシーンの大ジャンプには大爆笑ですし、また細かいところですが、家の外に据え付けられていた洗面台の壁をクルッと回すとただの外壁になった所も、すき間が全く見えなくなるほどの完璧な設計だったのが妙に面白かったです。
家の構造も、風で回転したり樽を下に入れて移動出来たり・・・って、あの家の基礎はどうなってんだ?とか言うのも全部コメディだから許されちゃう(笑)。
やはり何と言っても、最後にホッと一安心させておいて油断した瞬間に大クラッシュ!っていうのが、超がつくほどの絶妙のタイミングなもんだからもう爆笑必至。
上映時間わずか20分の小品で最後に上手く笑わせてくれれば、どんな映画でも例外なく面白くなっちゃいます。
これがキートンの初期の作品だと知って、観終わってからも驚きを与えてくれるキートンには、改めてその凄さを再認識させられました。