2. 製作当時としては画期的なオールロケ撮影の傑作。臨場感抜群で、ニューヨークの街並みをリアルに捉えたセミ・ドキュメンタリータッチが光る。
警部役B・フィッツジェラルドの安定感、若手刑事役D・テイラーのやや頼りなげな初々しさ。このコンビの捜査ぶりに加え、若手刑事の私生活も描いて映像に血を通わせており、人間味ある映像にまとめた演出はフィルム・ノワールにおける類型を確立した。ウィリアムズバーグ橋での撃ち合いに代表される縦構図等、立体感のあるカメラワークも秀逸。
「裸の町には800万通りの物語がある。これはその中のひとつだ」と語るラストのナレーションが印象深く、大都会・ニューヨークを見る視線が鋭い。