5.映画においては興ざめさせられることの多いデジタルエフェクトの類も、決してマイナスに感じずにいられたのは、純粋によい映画だったから。このキャストでここまで血生臭くしてしまってよいのか思わず心配しましたが、それがあってこそですね、この映画の魅力は。残虐シーンにもユーモアがまぶしてあります。しかしデンゼルはあくまで真顔。監督はずいぶんと楽しんでたのでは?いや、むしろサラリと撮っちゃうのかな、知的に。程よく抑制・統制されている印象と、予定調和を崩すイタズラっぽい印象との両方があり、こういう映画こそ、やっぱり映画って良いもんだなぁとささやかな幸福感を与えてくれます。これがもしラスト辺りにダコタちゃんの悲しみを何カットもふんだんに盛り込んでいたら、感動の押し売り広告みたいになっちゃうんでしょう。それはそれで楽しめるかもしれませんが。しかし良い映画ってきっと、ダコタちゃんの1カットとペンダントと静かに落ちる手、これで十分なんです。そしてもちろんあの橋、ね。 |
4.《ネタバレ》 「燃える男」の冷徹極まる壮絶なる復讐劇。凄まじい!の一言。監督サン!カンベンして下さい、と言わんばかりの凝りに凝った演出にパン・ズームの雨あられ。兄・リドリーとは似ても似つかないその独自の画作りはまさに独特の世界へ誘ってくれる。そしていつの間にかそんな映像も気にならなくなっている程にそのストーリーに引き込まれていた。もうデンゼルとダコちゃんの2人の間に芽生え始める感情は王道なんだけど、まぁ2人の繊細な演技が上手い上手い!「生きて」いなかったクリーシーに再び「生命」を与えてくれたピタが拐われ、殺されたと知った時、クリーシーの心に消した筈の「炎」が再び宿り、「死のアーティスト」が動き出す。相手は腐りに腐った団結組織by「エルマンダー」の糞ウジども。指を切り落とし、ショットガンで脚を、手を吹き飛ばす!クリーシーへの感情移入がハンパないので興奮度はMAX!そしてかつての戦友レイのバックアップによる安心感と存在感が何とも頼もしい事!クリストファー・ウォーケンの存在感のデカさは流石です。しかしここで気付く。ピタに会う前のクリーシーに生気は宿っていなかった。そして復讐を手際良くこなしていく様は本来の彼の姿であるという事に。皮肉な運命。ピタに出会い、得難い生き甲斐を見出したクリーシーだけど、ピタを失い取り戻したのはかつての自分。神に赦される事のない過去を背負うクリーシーには平穏など望めなかったのかもしれない。不発した9m弾はそんなクリーシーに与えられた最後の平穏だった訳だ。ピタが生きている事が分かってクリーシーが命と引き換えにピタを母親の元に返すラストは少し路線が外れた感もあるけど、ピタを想うクリーシーの壮絶バイオレンスのお陰で切なさ倍増でした。「マイ・ボディガード」ってヤワな邦題が何ともそぐわないですが、脇を固めるキャストも魅力的で、トニー&デンゼルのコンビ作では自分の中では最高傑作!でした。 【miki】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-06-02 22:51:50) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 「ハンニバル」の監督の弟が監督というイメージでまたみなおしました。▼音楽に「月の光」やら「トゥランドット」の音楽などが効果的に使われていたのが印象的でした。▼悪役?が多かった凄みのある目つきのクストファー・ウォーケンの優しげな眼が友情と信頼にあふれていて素晴らしかったです。▼サラマンダーの会長を襲撃するときに入り込んだお年寄りの部屋で「教会ならば許せと諭す」と言った意味が少しは判りましたが、やはり復讐は止められない気がします。▼ダゴタ・ファニングをこの映画で始めて見たのですが、何回もみても やはり、凄い女優さんだと思います。 【亜酒藍】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-09-12 07:24:49) |
2.復讐話はどろどろとしてしまいがちだが、必殺シリーズを髣髴とさせる内容はとても楽しめた。 メキシコの誘拐事情は良くわからないがたぶん現実にそぐわった話だろうから、なんとも恐ろしい。 前半のハートストーリーは心温まるゆえに後半のギャップが凄い。 面白かった。 【Jane.Y】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-08-14 09:06:17) |
1.前の席に座ってる婆ぁ、復習劇になって以降ズリズリ前に出やがって、邪魔なんだよお前の頭。祝日だからってわけじゃないでしょうけどほぼ満員、後半になって観客が引くときの様子と声が伝わってうっとうしかった。大藪晴彦原作「傭兵たちの挽歌」が予定通り映画化されてたら、こうだったかなって気にさせられたし、映像好きだったし、なによりも音楽がすばらしかったので高得点にします。エンディングで実話というかドキュメントですよ みたいなテロップ流したんで大マイナスなんだけどね。Rinda RonstadtのBlue Bayouのすばらしさ伝えてるだけでも加点ありですよ。Oye Como Vaやってるのが“Kinky”という人たちだって確かめるためだけにエンドロールすべて観てましたが、私含めて4人以外みんな帰っちゃったのにはビックリしましたです。 【shintax】さん 9点(2004-12-23 23:51:09) |