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ヘンリー/ある連続殺人鬼の記録

[ヘンリーアルレンゾクサツジンキノキロク]
Henry: Portrait of a Serial Killer
1986年上映時間:83分
平均点:7.09 / 10(Review 11人) (点数分布表示)
ホラーサスペンス犯罪もの実話ものバイオレンス
新規登録(2004-10-09)【FSS】さん
タイトル情報更新(2009-03-16)【M・R・サイケデリコン】さん
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監督ジョン・マクノートン
キャストマイケル・ルーカー(男優)ヘンリー
トム・トウルズ(男優)オーティス
脚本ジョン・マクノートン
製作ジョン・マクノートン
配給ケイブルホーグ
字幕翻訳細川直子
あらすじ
 ヘンリーとオーティスは、刑務所で知り合った友人。いきさつはわからないが、二人は同じアパートで生活している。ある日、オーティスの妹ベッキーが、旦那から逃げるようにしてオーティスを頼ってくる。オーティスはベッキーをアパートに連れて行き、ヘンリーに紹介する。快く受け入れるヘンリー。3人の奇妙な共同生活が始まる。しかしヘンリーには二人の知らないある秘密があり、ベッキーが来たことで、静かに3人の運命の歯車が狂い始める・・・実際にあった事件を基に作成された衝撃の映画です。
ネタバレは禁止していませんので
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4.《ネタバレ》 ヘンリー・リー・ルーカス。実在したアメリカの連続殺人犯。「普通の人」ならまずヘンリーの思考は理解出来ないだろう。OPからヘンリーが手にかけたと思われる死体(遺体)が映し出される。ぞっ、としたのはカフェで多分朝食を取った後のシークエンス。ウエイトレスに「笑顔が素敵だ。」とにこやかに世間話をし、店を立ち去るヘンリー。車に乗った後のシーンでそのカフェで起こった凄惨な画が映し出される。にこやかに話しかけたさっきまで笑顔でいたあのウエイトレス、そして店主と思われる男性までもが殺されていた。普通の会話の後に、「普通」に人を殺しているヘンリー。そして何も無かった様に立ち去る。この演出はこの映画において素晴らしく的確。犯行を直接見せず、その間に殺人があった事実を観客に知らせ、想像させる余地を与える残酷な演出。普通の人なら計画的・衝動的な動機などが無いとまず人を殺害などしない。つまりヘンリーには普通の、ちょっとしたついでの様に殺人が描かれている。マイケル・ルーカーはルックスからしていかにもなんですが、「狂気」というのはそんなに感じさせていない。声を張り上げた時に少し怖い、という印象くらい。なぜならヘンリーは「普通」だから。殺人を楽しむ変態ではないから。彼にとって「殺人」は息をするのと同じ。車の故障を装い、オーティスに銃で人を撃たせた後の、「どうだ?すっきりしたか。」と言う台詞のごく自然な言い回し。まるで子供にトイレで用を足させた後の言い方。マイケル・ルーカーはその辺りを理解し、心得て演技をしていたと思います。ラスト、ヘンリーは車のトランクを開け、しばし中を眺めてから大きなスーツケースを取り出します。逃避行の際、ベッキーに「愛しているわ。」と言われ、ヘンリーは「多分、愛している。」と返事を返す。スーツケースを取り出すまでのあの時間に、ヘンリーの心境が垣間見えた気がする。
mikiさん [DVD(字幕)] 9点(2012-09-03 12:31:46)
3.《ネタバレ》 サイレント映画の時代から星の数ほど犯罪映画は撮られてきたけど、この映画を超えるのは本物のスナッフ・ムーヴィーしかないんじゃないかと思うほどで、実話犯罪映画のまさに極北です。ヘンリー役のマイケル・ルーカーがあまりに強烈で、他の映画で彼が出てくるたびに「あ、ヘンリーだ」っていまだに条件反射してしまう私です。 4年もオクラ入りしてようやく公開されたと言うだけあって、冒頭のタイトル・ロールからしてまるで自主製作映画みたいなシンプルさ、そして普通の人が蠅や蚊を退治する様な何気なさで殺人を重ねるヘンリーとオーティスの鬼畜の様な生活。これがほぼ実話だと言うのは凄いことで、創作なら誰もこんな恐ろしいお話しは考えつかないでしょう。思いのほかグロい描写は少ないのですが、こんなに淡々と人を殺すところを見せ続けられると、観てる方も精神的に参っちゃいます。 まさに取扱注意の毒薬ムーヴィーです。
S&Sさん [ビデオ(字幕)] 9点(2012-04-04 21:24:19)
2.《ネタバレ》  動機のない殺人というものがいかに恐ろしいかがよくわかります。
 いらいらしているときにタバコを吸ったり、美味しいものを食べたり、人は自分の好きなことをすることで気分転換し、リフレッシュします。ヘンリーにとってはそれが殺人にあたります。ただの心理的な欲求に、本能の部分で従っているだけです。
 かたやオーティスは、もともとそういった欲求はありません。しかし、成り行きでヘンリーの殺害に立ち会ってしまい、次第に殺人の魅力にとりつかれていきます。ですが、オーティスにとっての殺害は趣味の範疇を出ておらず、娯楽のひとつにすぎません。そこがヘンリーとは決定的に異なります。(オーティスは殺害を記録し、それを何度も見ては楽しんでいます。ヘンリーは過去に起こした殺害にはまったく興味はありません。自分がタバコを吸うシーンを見て楽しむ人はいないので、当たり前と言えば当たり前です。)
 二人の間に次第に確執が生まれますが、それも当然かもしれません。なぜなら、精神的に異常で、未熟なのはオーティスのほうで、ヘンリーは殺人の生理的欲求以外は、いたって普通の真面目な人間だからです。そして、ベッキーが来たことで、その確執は最悪の形を迎えます。
 そしてそのベッキーは・・・
 もしベッキーの視点でこの映画を見ると、最悪の残酷映画になるでしょう。幼いときに父親から性的虐待を受け、母は見てみぬふり。兄も筋金入りの変態かつだめ人間。ようやく手に入れた結婚という幸せももろくも崩れ去り、最愛の娘は置き去りに。やっと見つけた、紳士で真面目な人間がヘンリーだったという、ここまで不幸せな人間がいるとは・・・
 映画の完成度としては10点以上なのですが、実話ということもあり、不謹慎なので9点にします。
たきたてさん [DVD(字幕)] 9点(2011-12-25 21:33:38)
1.《ネタバレ》 ヘンリーというアメリカの実在の殺人鬼を元に、彼の日常を淡々と描写した「擬似ドキュメンタリー」。まるでちょっと食事にでも出かけるような気軽さで人を殺していくヘンリー。そこには道徳や倫理、相手に対する同情や後悔など微塵も存在しない。その感覚はもはや「異常」とか「正常」と言う常識的な二元論では語れない境地ですらある。

過激な殺害シーンや、ミステリー的な謎解きが出て来る作品ではない。しかし、見るものにこれだけのインパクトを与える作品はめったにないだろう。マイナー作品ながら、「連続殺人鬼もの」としては、色々な意味で群を抜いていて、下手なホラーやサスペンスなど、まるで太刀打ちできない衝撃に満ちている。あまりにヘンリーのキャラクターが強烈過ぎて、私の中ではマイケル・ルーカーと言えば、この作品を思い出すほど。

ベッキーという彼に好意を寄せる女性が現れ、心の渇望を癒すような展開に持って行きつつ、そんな「一般人の希望的観測」や「常識」を突き飛ばす衝撃のラスト。何者の理解をも拒み、そんな期待すらも持っていないであろうヘンリーの心の闇の深さに、ただ慄然とするしかない。

FSSさん 9点(2004-10-17 13:55:38)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 11人
平均点数 7.09点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
419.09%
519.09%
6218.18%
7327.27%
800.00%
9436.36%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 4.00点 Review2人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人
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