1.視覚障害、人種差別、薬物中毒、不倫、実にドラマチックな人生なのだが、主役はいつも音楽。彼の強さ、弱さを、Jフォックスが好演。実は病床のレイ本人が乗り移っていたのでは?とにかく、粗探し出来ないほど上手くやってくれた。
始まって5分ですぐに泣かされた。その後も、演奏シーンでは何回も涙が溢れてきた。感情的なシーンと言うよりは、全て泣かされたのは演奏シーンだ。個人的にこの手の音楽に思い入れが強いせいもあるが、50年代当時のアメリカ音楽の劇的な歴史を知らないと、出演拒否や移籍問題を絡めた、名曲が生まれる過程などは理解しにくいのかもしれない。
映画は、ストーリーがどうの、と言うよりも、彼の人生そのものが波乱の連続で、題材そのものが感動的なのだと思う。彼の行い全てを肯定するつもりは無いが、この人生だからこそ生まれた名曲も多々あるだろう。気持ちは10点付けたいところだが、やはり映画として見た場合、ちょっと長過ぎるような気がする。終盤は少しダレた。 それでも、もう一度、いや二度三度見てしまうだろう。彼の冥福を祈りたい。