1.《ネタバレ》 二週間足らずで撮影したという本作、女子高校生の若さと相まって、軽やかに駆け抜けるイメージを受けました。
『魚と寝る女』や『悪い男』の息苦しさとは違い、「これはフルショット映画です。」との監督の弁のとおり、少し遠くから眺めることが出来ました。
キム・ギドク監督の描く女性は、かつて見たことがない人が多かったです。
ところが本作では韓国のフツウの女子高生(多分)が、等身大で登場です。
そのフツウの子をどう動かすのか?
監督の思惑に期待しながら、観続けました。
題名のサマリアはキリスト教の言葉だそうです。
サマリアの女は罪深きまま、キリストを信じたのだそうです。
人は清らかなままいられない。
汚れたまま、そのままで生きていく。
監督自身もクリスチャンだそうですが、罪とは何か?罪の意識とは?
多くを考えさせてくれた、この作品です。
さりげない風景も、キム・ギドク監督が撮ると芸術性の高い画面になるのですね。
やっぱり天才!
この作品でも水(河原)が印象的でした。