1.《ネタバレ》 みんなこの映画をみてくれー。素晴らしいぜ。この映画、「イントロダクション」「スクラッチ」「タイムレスメロディ」、と三部構成になってて、このことでストーリとしては少しわかりにくくなっとるかもしれんが、観客を拒絶するまでに難解だなんてことはなくて、映画にいい締りを与えてておもしろいくらいだ。とにかく人物の機微の描き方がいい。ストーリとしてはタルタルでおもんないという人がいるかもしらんが、見るべきところは人物で、1シーンで人物の関係性、人物像を観客に想像させてしまうというのは、うまいとしかいえません。ふわふわしてる奴らばっかでてきます。自分の居心地の良い、または
居心地が良いとは決して思くてどこか値に足がついていない感じを持っているが、差し当たり行くべきところ、行きたいところを持っていないので、そこに留まることを容認するしかない、というような奴ら。彼らの間での人間関係も同じようなもので、決定的に自分から行動することを避けていて、ある程度の距離を保っている。自らの領域を出ようとはしていない。映画としてはこれを否定、肯定のどちらの態度もしめしてはいないと感じた。(なんとなく)しかし三部「タイムレスメロディ」での三人での船の一時をあれだけ美しく描いていることを映画の一つのメッセージと取る。美しすぎる。彼らの表情があまりにも楽しそうで、命に溢れていて、僕はそれにすがりつきたくなった。この感情はなんであろうかと考えてみた。そのシーンの前で登場人物である男が突然死ぬのであるが、それを追憶してよくある感傷的な気持ちになっていたのかというとそうではなくて、死んでいなくてもこのシーンは感動したのだとおもう。過去に対しての郷愁であったり、想い、であるの同時に、未来に対して説得力をもったベクトルとして、われわれに訴えかけてくれるような気がする。次作波は「この」部分がないから僕は辛くなってもう一度観ようとは思うわないのですが、タイムレスメロディは船のシーンを
リピートで繰り返しみてしまうのです。