6.結構分かり易い内容だと思う。 グダグダした感じはなく、物語は淡々と進む。 この映画の最大のテーマは「復讐」。 「復讐」の方法が結構見事なので、観ていて面白い。 また、主人公以外の登場人物もどれもかなり個性的だが、 不思議と主人公のクムジャの邪魔をせず、むしろ主人公を引き立てているので驚いた。 人によってはショックを受ける描写もあるが、概ね面白い作品だと考えている。 【功聖良】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-04-03 22:21:19) |
5.《ネタバレ》 復讐は意味がない、もしくは、むなしいものだ、という前二作とは明らかに違っている。この物語は、「刑務所から出所したよ、じゃあいつ復讐するの?今でしょ!」という唐突感と違和感とが入り乱れている。しかし違和感を感じるが、共感も感じられる。しかも激しい共感である。新聞を読んでいると、他人事なのに、殺意が芽生える犯罪者が多いと思いませんか?「コロセバいいんだよ」と何度も心の中でつぶやいてしまう。残虐な少年たちが、毎回笑いながら弱者をいじめて殺す記事を読んで、この人はいつかは更生できるかもしれないと思ったことは生まれたから一度もありません。むしろ更正するような人間になってほしくない。更生するな。悪人は決して善人になるな。この世から消滅しやがれ。クソガキが無免許で高級車を運転して子供を3人ひき殺した─。「ワザトジャナイヨ。」「前途ある若者ダヨ?」ふざけろよ。なんで死刑にするのに何十年もかかるのだ?いや、死刑になるならまだマシだ。1人殺したら懲役20年。2人殺したら無期懲役、3人殺したらやっと死刑だ。冗談じゃない。クソ食らえだ。だから世の中には親切なクムジャさんが必要なのだ。クムジャさんはなぜ憎しみを持続できるのだろうか?いや、私も持続できるぞ。私は憎くて、憎くて、たまらない。私は憎しみの王様だ。こんな私も子供時代は違った。しかし人を憎む感情は、他人から植え付けられたものだと思う。レミゼラブルのジャンバルジャンと同じだよ。善人は悪人から憎しみを伝染させられるのだよ。私はもうこの憎しみを抑えきれない。クムジャさん、あなたは本当に親切だ。私はこんな映画が観たかったんだ。見終えても心は綺麗にはなりません。問題は何も解決しません。しかし、あいつがくたばったとき、自然と拍手していた。もうこうなったら善も悪もクソも関係ない。何よりも評価したいのは、彼女に因果応報の罰を与えなかったことである。彼女は絶対に許されるべきだ。クムジャさん、あなたは私にとっても親切な人でした。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-05-17 21:36:04) |
4.濃密な映像。独特のリズム。笑いとスリルのバランスは上々。これだけ緻密な映画もそうはない。 【SUM】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-01-22 20:36:05) |
3.《ネタバレ》 復讐三部作の完結編、という感じで子供の誘拐、腎移植、犬になる等、キャストまで含めて前2作からの引用、パロディが満載。そう言った意味ではこれ単体ではなく、通して見た方が楽しめると思います。復讐心の生み出す悲劇や虚しさを描いてきたこれまでの作品から、この映画は更に俯瞰して、それでも汚れてしまう事を選ばざるを得ない人々の、滑稽で哀しく切ない物語になっていました。無垢でいられる事の難しさ、エゴや弱さを嘆きつつも神の視点まで高めて肯定する、この監督の頂点に至る作品だったと思います。更に凝ったカメラワークや技法は、もはや匠の技。ちょっとブラックな笑いを挿入する部分まで含めて、私には心地良く、こんな題材であるにも関わらず、見ていて不思議に癒される映画でした。イ・ヨンエさんの一筋縄ではいかない揺らぎの演技が作品に大きく貢献していたと思います。重ねて書きますが、「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」を順に見た上で「親切なクムジャさん」で1セットとして完結する感じがして、なので評価は前2作の存在を前提とした上での点数です。 【あにやん🌈】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-06 01:59:53) |
2.《ネタバレ》 「オールド・ボーイ」をカンヌで絶賛したタランティーノ監督に対し、パク・チャヌク監督が「キル・ビル」の返歌として送ったような映画。白と黒と赤で作られた世界の中で、天使のような優しさと悪魔的な残忍さを十二分に見せ付けるクムジャさん、様々なシーンで見せる彼女の複雑に感情の入り混じった涙と表情がスゴイです。コミカルさやブラックな笑いを練りこみ、法の裁きか?己の法か?クムジャさんが先生となりぺク先生を生徒の親たちにによって教室で裁くなんてのは最高にブラック。ただ今までの二作品に比べ胸につかえた澱がとれるような爽快感はない。多くの人間によって罪人を裁く事が一人の罪が薄くなる訳でもなく、復讐を成し遂げたところで彼女は他の親と違い、生きている子供の存在が母として罪に苦悩させ、魂の浄化を求めさせる。韓流、チャングム効果でしょうか、中年女性が大勢観にきていたが、皆一様に沈鬱な表情をしていた。母であろう彼女達にはこの映画は私以上に重いことでしょう。 【亜流派 十五郎】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-12-02 16:27:26) (良:1票) |
1.この映画、何度か見た方がいいかもしれないと思った。 なんかいっぱいメッセージが隠されているような気がしてならない。この監督、かなりいろんなものを仕込んでいるような気がする。一見単純なストーリーのように見えるが、いえいえどうして。したたかだ。それにしてもイ・ヨンエの演技。「オールドボーイ」のチェ・ミンシクの時も感じたけれど、日本の俳優で演じるとしたら、果たして誰ができるだろうと思った。「復讐は終わっても、魂は救済されない」3部作のエンディングにふさわしい言葉だ。 【SHU】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-11-14 20:10:06) |