10.《ネタバレ》 自分は小説も大好きでよく読みます。中でも荻原浩は大好きでほぼ読んでます。原作が好きだったので映画化は正直どうかなーと思って観ましたが、見事に期待を裏切ってくれました。夫婦の演技に関してはもはや何も言う事がありません。感服致しました。ストーリーは知っているにも関わらず、途中から涙止まらず、苦しい思いしました。しかし、実際の現場はこんなもんじゃないと自分も思います。ただラストシーンの彼女には強さを感じました。ああなってもやっぱりこの人と生きていくと、彼女は決意した。もちろんあの先色々あるでしょうが、彼らはあそこで新たにスタートラインに立った。その気持ちを彼女は忘れないでしょう。そしてそれが「力」になるに違いないと思う。 【オニール大佐】さん [地上波(邦画)] 9点(2008-07-30 20:32:15) |
9.《ネタバレ》 娘とのかかわりが希薄のまま終わってしまったのは残念だが、高評価。渡辺謙は今、日本映画界の第一人者であることを存分にみせてもらった。 【あるまーぬ】さん [地上波(邦画)] 9点(2007-08-01 04:07:22) |
8.《ネタバレ》 予備知識なしで見ましたが、プロデュースも兼ねた渡辺謙の真剣さが伝わる力作だったと思います。何人かの方が指摘されているように、実際の病気や介護にたずさわった方から見れば、綺麗ごと過ぎるのかも知れません。私が思うに、この作品はアルツハイマー病のことをよく知らない人と、実際に病気にかかって苦しんでいる人やそれを支えている人たちの間に、位置しているのではないでしょうか。病気のことを知ってもらい、少しでも苦しんでいる人たちの助けになって欲しい、そんなメッセージが込められていると思います。 渡辺謙や製作者たちは、「映画」というやり方で、そのメッセージをなるべく多くの人に伝えるために、内容をある程度ソフトに(美化)し、またドラマティックな演出にしたのではないでしょうか。現実をそのままフィルムに収めて、ドキュメンタリー映画として上映しても、興味を持っている人たちしか見に来ない、というのが現状だと思いますから。本作は、この病気について興味を持ってない人たちに関心を持ってもらう、という役割の一端を充分担ったと思います。 映画の内容としては、やはり渡辺謙の熱演が見所だと思います。それに呼応するかのような樋口可南子の演技も力を感じるものであり、見事に夫婦として劇中に存在していたと思います。渡辺謙が奥さんに「毎日、迷惑掛けてごめん」と泣き叫ぶシーンが印象的で、心に残りました。病気になった人の苦しみを、自分なりに感じられたシーンです。 近年流行の、安直な製作姿勢で作られた「病気+恋愛+感動」ものの映画やテレビドラマの、稚拙さを浮き彫りにしたといえる一作ではないでしょうか。 【塚原新】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-12-31 22:56:53) |
7.《ネタバレ》 観始めるまで堤監督と知らず。こういう映画も撮れる監督なんだなぁと感心しきり。 これは夫の側と妻の側の視線がとても上手く撮れてたと感じました。食卓で泣き崩れる夫を背中から抱きしめて励ます妻。でも、妻だって同じくらい辛い。庭先に出て同じように泣き崩れる妻。また、退職の日、粟ちゃんと抱き合う場面。今まで一線で仕事をしてきた男の最後が辛すぎて、滂沱の涙でした。生きてりゃいいんだ。の台詞に救われたのか救われなかったのか複雑だけど。あと、憲武は佐伯が崩れるきっかけを上手く演じてたように思いました。佳作。 【静葵】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-17 15:44:15) |
6.《ネタバレ》 エグゼクティブプロデューサーを渡辺謙さんがしておられる事から、この作品にかける渡辺謙さんの想いはかなり強かったと思われます。テーマとして感じられるのは、やはり“愛”でしょう。しかもそれはそんじょそこらの“愛”ではなく、もう言葉では言い表せないくらい強い愛情です。深く広く、そして硬い愛です。アルツハイマーになる夫を支える妻。それはもう大変などという言葉では表しきれません。この作品はそのことから考えると妻を演じる樋口可南子さんが真の主人公だったと思います。夫の記憶が失われていく苦しみも確かに悲しく辛い物だと思います。でもそれ以上にその夫を見捨てず、何年も傍らに寄り添い続けられるその強い愛情に感動しました。時には嫌になり、時には逃げ出そうとも考えるその苦難、そこで大概の人間ならそうしてしまうでしょう。でも、それから目をそらさず、むしろさらに強く暖かい視線で夫を見つめるその妻の心の強さに涙しました。全てを忘れようとしているのに、手から離さないそのコップには妻の名前が刻まれている、そこにもまた互いの深い信頼と強い愛情を感じました。たった一つのアイテムで全てを集約してしまうその演出も素晴らしかったです。 【ボビー】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-12-09 20:12:33) (良:1票) |
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5.《ネタバレ》 『痴呆症』が『認知症』という名称に変わりました。蔑視的表現だったからだそうです。これまで、『ボケる』と周りの人間が苦労する、というのがテーマのドラマなり小説が多かったと思います。この映画は、発症した本人の苦悩が主で、違う角度から鑑賞できました。最初、CGによる大都会の映像があり、またデジタルか、とガックリしていたのですが、話が進むにあたり、部下が集まるシーン、陶器を作り上げるシーン、その後のアナログの映像にとても映えていきます。その中でも、香川照之さんの『ポジティブ・シンキング』というセリフがとても胸に響きました。どんどん忘れていくのは恐怖です。だからこそ日記をつけよう、できる何かをしようとするんだと思います。それは決して悪あがきではないんだと思う。渡辺謙さんの落差の激しい喜怒哀楽と、樋口可南子さんの抑えた、しかし芯の強い演技も震えがきました。残念ながらこの病気は治らない。しかし病気を受け容れる勇気、そこから始まる闘い、夫婦愛の素晴らしさみたいなのを感じました。 |
4.香川照之の、電話での励ましがとても泣けました。奥さんの無償の愛に泣きました。 娘がああいう風にやさぐれていった家庭の過程をもっと描けば結婚式での娘の「ありがとう」で泣けるのだろうな。 |
3.《ネタバレ》 泣きました。広告業界でバリバリ働いていた人だからこそ、その絶望感が痛いほど伝わってきました。謙さん、カッコいいし、本当に上手だった。結局、恵まれた環境の家族で描かれていて、少し、そんなわけないかも・・・って思ったけど、悲惨なテーマだから、もし、普通の一家で映画化したら、それこそ見ていられないもんね。夫と観ましたが、観終わり泣いている夫に「私は樋口可南子にはなれないかも」と言って、現実に引き戻してしまいました(笑)他の出演者もみんなよかった~!TVの取材で、独身の観客が見終わって「結婚したくなる映画」と言っていたのが、納得!です。名作です! 【らふらんす】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-06-08 19:16:29) |
2.《ネタバレ》 平日昼間に観たので周りの観客が高齢者ばかりでちょっとウンザリ。上映の最中に感想述べたりティッシュのリレーしたり溜息つくのに声が出たり。だけど非常に心に残る映画でした。典型的仕事人間の佐伯が病気によってプライドを崩されていく様、それを彼の過去に拘る事無く支え続ける妻と娘…ワタシも将来伴侶を持てたとして、その伴侶が同じ運命を辿ったとしたら、同じように支えられるんだろうか。これは、若いひと達にこそ、観て欲しいと思いました。自分が、或いは今現在元気な親が、そうなる可能性を考えて欲しい。そして自分は支えてもらえるのか、支えてあげられるのかを、考えて欲しいのです。最後のシーン、自分のことが分からなくなってしまった佐伯に対して微笑みかける妻の笑顔がとても綺麗でした。映画館を出るときにどこぞのおばさんが「悲惨だねぇ」と言ってたけど、それだけの捕らえ方しか出来ないのってちょっと悲しいね。蛇足だけど吹石一恵ちゃん可愛かった。アツくなるミッチーも素敵でしたヨ! 【椿庵】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-05-20 17:48:54) |
1.誤解を恐れずに言えば、主人公佐伯は大変幸せな男です。アルツハイマーによって残された人生が一変した不幸よりも、一緒に人生を歩いてくれる妻や家族や仲間がいる幸せが再確認できた。もちろん現実はもっと壮絶でしょうけれど。私事ですが、父が数年前に脳梗塞になり、言葉が不自由になりました。リハビリを通じて随分回復しましたが、その間、母はつきっきりで父の世話をしました。父が病気になったことは不幸ですが、父は母の愛に支えられて今も元気に生きています。父は幸せものだと思います。 渡辺謙はまさに入魂の演技で、その気迫が凄まじい。脇を固める役者たちも素晴らしい。特に窯元の師匠の大滝秀治、告知する若き医師役の及川光博の存在感が印象に残りました。 10点でも良いのですが、冒頭のCGのクオリティが今ひとつだったので9点とさせていただきます。 【ロイ・ニアリー】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-05-17 04:08:12) |