12.《ネタバレ》 マカロニウエスタンが邪道だなんて知った風な事をほざく奴らは、「真昼の決闘」のように西部劇の常識を溝に捨て、プロ意識の欠如した作品こそ真の邪道だという事に気付いていない。
西部劇は、「大列車強盗」の頃から銃をブッ放して当たり前の筈だ。
しみったれた詩情や、湿っぽい西部劇などツマランだけだ。
レオーネは最高だよ。
ホークス、デミル、アルドリッチのように「グダグダ言ってねえで撃って撃って撃ちまくりやがれ」という精神だから良い。
むしろ凄惨な殺し合いの合間合間で光る一瞬のドラマの方が俺は惹かれる。
「ウエスタン」は自分にはちょいと退屈だったが、この頃のレオーネはただただカッコ良い。
「続・夕陽のガンマン」も間延びした感じでちと退屈なのだが「喋ってないで撃てよ」という神セリフを聞く度に全てを許してしまう。
大体、帽子を撃ち合うだけであそこまで楽しませてくれるんだから最高だ。
リー・ヴァ・ンクリーフが鞄をガパッと開いて大量の銃器を観客に印象付ける場面も良い。
大量の仏をリアカーに積み上げて「金がたんまり入るぜ」ってシュールな絵面が素晴らしい。この死生観のあやふやな感じが良い。
死んで終わりではなく、死後も“役”が与えられるのが良いじゃないですか。
銃声がデけえ?何言ってやがる、「シェーン」なんか爆撃音じゃねえか!!
モリコーネの曲は何度聞いても気持ちが良いね。