30.《ネタバレ》 主演ソフィア・ローレン程度の予備知識しかなかったが、冒頭から画面いっぱいに咲きほこるひまわりと聞き覚えのある悲しげなテーマ曲に、まだ物語が始まっていないのになにやら切なさが込み上げてくる。チャランポランでコミカルな前半、当時を思い起こさせるロケ映像の数々、そしてラストの別れのシーン、それぞれがなかなかの出来映えだとは思うけど、やっぱりこの映画は情熱的で行動的な主人公がやっと探し当てた夫と再会するシーンに尽きるのでは。列車から降りてきたアントニオが現地妻と話すのを遠くから見守るジョバンニ、耐えきれずに言葉も交わさず今来た列車に飛び乗るヒロイン。たくましさが際立っていただけにあまりにも切なく健気な姿に感情移入100%。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2017-12-16 18:28:38) |
29.《ネタバレ》 「自転車泥棒」は余り好きになれなかったが、この映画は素晴らしい恋愛映画だった。あの「ひまわり」は卑怯だ。 戦争によって引き裂かれてしまった男女二人。多くの苦難を経て、再会した果てには・・・悲しすぎる。二つのうちどちらか一つの幸せしか望めないとは・・・戦争の残酷さがよく描かれていた。 まったく「ウンベルト・D」といい、デ・シーカは卑怯者だぜ(涙腺的な意味で)。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-06-13 20:41:00) |
28.リアル・タイムに見ました。さすがデ・シーカ素直にいい作品と思いました。アントニオを求め遠路ソビエトまで行ったジョバンナ、探し当てたが時すでに遅く、他の女性が可愛い幼子まで設けて・・・・。彼女の案内で愕然と夕暮れの停留所にて仕事帰りの彼と再会一瞬目が合い、終わった!そのまま汽車に乗り込み人目も憚らずに号泣!!。帰路に就く。半ば最大のクライマックスに胸打たれました。 【白い男】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-04-25 21:33:42) |
27.《ネタバレ》 リバイバルにて初鑑賞。偉大なるヘンリー・マンシーニのBGMは知ってたんだけどここまで映画にマッチしてるとは思いもせず。戦争というものが愛し合う二人を斬り裂き、長い年月で二人は別々の道を歩むことになってしまい、ふとしたことで出会ったと時には・・。彼ら二人が出会えたこと自体が奇跡であり戦争の被害者であるが時というものはものすんごぃ残酷で取り戻すことはできない現実はほんとにツライ。ひまわりが戦争をモロに表現してるということが分かった時は自然に涙が。。あぁ、この映画はス素晴らしいけど、ツライなぁ。。。 【M・R・サイケデリコン】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-06-28 00:45:39) (良:1票) |
26.《ネタバレ》 やっぱり一番凄すぎるのは、このタイトルでしょう。別にひまわり畑が出てこなくたって、このストーリーの成立には何ら影響しません。それを、冒頭・中間・エンディングの3か所で登場させ、なおかつタイトルにも使用したというだけで、一瞬にしてすべてを凝縮・象徴させ、また作り手としてのある種の祈りをも封じ込めています。で、もう一つは、最後に主人公たちがきっぱりと自ら結論を出しているところ。それも、その直前まではどうなるか分からなかった(逆に転んでいたかもしれなかった)。そのようなあやふやで不安定な中で、それでも下される人間の「意志」は、何よりも尊いのです。それをきちんと描いてくれているのが嬉しい。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-02-01 02:57:32) (良:1票) |
25.《ネタバレ》 広大に続くひまわり畑の美しさとヘンリー・マンシーニの哀愁を帯びた美しいメロディー、美しい風景と美しい音楽の映画と言えば、私の記憶の中では真っ先にこの「ひまわり」が浮かぶ。それほど強烈な印象を持つ映画であり、名作中の名作と言ってよい。 それと「自分の夫は必ず生きている」と信じて、遠く離れたウクライナの地まで夫を捜し求める妻のいじらしさに思わず涙が出てくる。やっとの思いで探し出した時、夫は雪原で倒れていたところを助けてもらったロシア女性と暮らしていた。 甲斐甲斐しく尽くす若きロシア女性マーシャ、戦争という長い年月で疲れ切ったジョバンナ、二人は言葉を交わさずとも、瞬時に相手が何者かを知る。 何かメロドラマにもあるようなストーリーは日本人の共感を呼びやすく、それでいて、はるかにスケールの大きいドラマである。 蛇足ながら、ソフィア・ローレンにとってこの映画は2年ぶりの映画出演になった。それは、この映画の制作者であるカルロ・ポンティの愛児を出産したからで、映画の中の赤ん坊は何とその実の子である。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-06-26 23:54:32) (良:2票) |
24.《ネタバレ》 NHK BSの番宣で、音楽がヘンリー・マンシーニという事で観てみました。予想通りのすばらしい音楽に酔いしれました。あまり過去の映画は観ないのですが、考え方が変わりました。前にも感想で書かれていた方がいらっしゃいましたが、「ニュー・シネマ・パラダイス」は当作品をオマージュしているのかな?という感じがしました。 久々にすばらしい映画に出会えて幸せです。 |
23.イタリア版「君の名は」&「岸壁の母」といえばそうなんだが、愛と肉欲と情熱がほとばしりかたが違う。さすがイタリア。せりふの応酬が続くと思うと、沈黙のシーンメリハリがきき、情感が増す。音楽も素晴らしい…と言いたいところだが、「砂の器」とかぶって台無し!(菅野光亮のせいだ!)。 【みんな嫌い】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2011-01-12 00:06:06) |
22.《ネタバレ》 むかし観てたんですが、中学生だったこともあっていまいち入り込めなかった。音楽は好きでしたけど… 当時は映画主題歌がヒットチャートを賑わしてましたね。今回借りてまで観ようと思ったのは、大竹まことの少年ラジオのゲストにいらした風吹ジュンさんが話題にしてたからです。現代の感覚で観ると、長すぎ、端折りすぎな演出も多かったのですが、大人にならないとわからない「ダメ」人間を肯定した作品だと思います。向田作品というか、久世演出というか、ウクライナの家のシーンなんてまさにそれ。当時日本でも「戦争と人間」のような作品が生まれてますけど、群像劇でしかなく、やはり人間を描かせたらイタリア人には敵わないよなぁ。これっていまだにそうですよね。昨年の硫黄島2部作と「男たちの大和」くらべてもかわってない。むしろ「紙屋悦子の青春」のように純日本的な作風のほうがよかった。しかし、当時のソ連としては大盤振舞でしたね。マイナス面を徹底的に見せないことを条件に大協力したんでしょう。今回発見したのは、エンディングに至る流れが「ニューシネマパラダイス」に影響与えたってこと。それにしてもソフィア・ローレンって顔のパーツがセンターに集まった人だねぇ。広げたら安藤美姫そっくりだったのも新発見でした。 【shintax】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-02-22 10:03:16) |
21.《ネタバレ》 戦争で引き裂かれた男女の物語はたくさんあるのでしょうが、この作品は群を抜いて哀しい作品です。ソフィア・ローレンも哀しい。マストロヤンニも哀しい。そしてマストロヤンニのロシア人妻も哀しい。3人が3人とも哀しいのです。時々観たくなる、でも、観るには相当な覚悟とエネルギーが必要な作品です。明るい空と、美しいひまわり畑、美しくも悲しい音楽。そして、せつない物語です。 【ひよりん】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-05-27 10:45:42) |
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20.ロシアでアントニオが戦っているシーンと、ひまわりが一面に咲いているシーンとの対比が印象的だった。お互いを恨むことができずに、ただ好きで想い合っているだけではどうにもならなくて、みてて切なかった。戦争が人の一生に与える影響ははかり知れないと改めて痛感した。 【織姫】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-07-27 00:35:00) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 あかん。。こうゆうのわ弱いでふ。。。ほんまに哀しい結末やけど、しょうがなかったんやと思う。んで、小星わジョバンナのことを別にジコチューやとわ思わんかった。溺れるほどの愛を、美しいと思うから。 【小星】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-04-12 01:26:41) (良:1票) |
18.ひまわりって底抜けに明るいイメージがあるけど、本当は哀しい花なんだな…。でも、そういう風にさせたのも、人間ていう哀しい生き物なんだよな。 |
17.イタリア映画の名作でありますな。でも前半はあんまり好きじゃないの。戦争で引き裂かれた二人、男の帰りを待ち続ける健気なソフィア・ローレン。後半は胸が痛いです。しかしですねソフィア・ローレンのあの迫力を見ていると「大丈夫、あなたはひとりでも強くしっかり生きていける人よ」と思わずにはいられない。ちょっとしょぼくれた感じのマストロヤンニがいいですね。そうなのよ、私はソフィア・ローレンではなくマストロヤンニに感銘を受けました。あの一面のひまわり畑にはたくさんの戦死者が眠っていると昔なにかで読んだ記憶があります(記憶ちがいだったらすんません)極寒の中で息絶え、そして夏のシンボルであるひまわりが太陽に向かって咲き誇っている、ひまわりの一本一本が戦死者の生まれ変わりのように思え、やはり胸が痛くなります。 【envy】さん 9点(2004-08-24 14:07:07) |
16.《ネタバレ》 あのロシア娘は戦死者から服や靴を調達しようとして、たまたまマストロヤンニが生きているのに気づいて助けたんだって… 何かの本で読みました。 さて、この映画を初めて見たのはちょうど受験を控えた頃だったと思います。 つまらない毎日に、(僕も、どこか異国で行き倒れてこんなに美しい少女に助けられて一緒に暮らしたい…)なんて不謹慎なことを考えました。そして今でもこの映画を見ると、同じ感情を抱いてしまうのです。まあ、こういう見方もあるということでお許しください。 (再会した老けてしまった以前の妻)と(健気で美しい現在の妻…そして子供もいる)。男だったら本音は後者ですよね。それでもローレンを追ってイタリアに行くのは(罪悪感)(申し訳なさ)です。その気持ちが分かるだけに観ていてつらいです。 【ぴよ】さん 9点(2004-07-11 22:38:44) |
15.ヘンリー・マンシーニの音楽に得体の知れない凄みがある。もちろん音楽だけでなく、ストーリーも映像も俳優の演技も、スキのない名画。そして、観終わって、これはどうしようもないよなあ、という気持ちになる。決して悲劇じゃあない。でも、日常生活ってこういうどうしようもないいきさつに満ちているんだよなあ、と、人生の酷薄さに打たれてしまう。一つだけ、配役に文句付けておくと、リュドミラ・サベーリエワ美人過ぎ。ああいう美人は、死にかけて戦場に転がってる敵軍の兵士を家まで引きずってったりしないよ。むしろ、ロシアおばさん系村娘に助けられる展開の方がしっくり来る。でもそうなると、映画としてヒットしないな。ストーリー全体がやや辛すぎるものになったりして。 【哲学者】さん 9点(2004-06-17 21:47:40) (笑:1票) |
14.最初に観たときは、ただただマストロヤンニに腹が立ったのですが、大人になるにつれ、あーこりゃーしょうがないよなー。と思うようになった。夫をソフィア・ローレンに会いに行かせるあのロシア人の奥さんもエライよね。女の私は「プライベート・ライアン」なんかより、この作品の方がよっぽど戦争の悲惨さが伝わってきました。しかし、ソフィア・ローレン、スタイルいいなー、羨ましい!! 【ナオちん】さん 9点(2004-06-13 03:13:29) |
13.前半の愛し合うシーンがどうもラテン系で直接的過ぎて、なじめなかった。その感じのまま後半に行ってしまったので、のりきれなかった感もある。しかしそれを差し引いてもアントニオの弱さと情けなさや、必死に強がるジョバンナの切なさはひしひしと伝わった。素直にいい映画でした。 【ラーション】さん 9点(2004-03-12 18:50:13) |
12.とある番組で竹中直人氏がこのメロディーを口ずさんでいました。これがきっかけで見ることになりました。全面的に悲しくも切ない強い印象を受ける映画でした。印象に残る場面がいくらかあって2度見てしまいました。イヤリングのシーンはソフィアの可愛らしさがとっても出ていて何度も見返してしまったほどです。あと、ロシアでマストロヤンニがずるずる引きずられていく所がなんか可笑しくて(私だけでしょうか...)笑えてしまいました。しかし、なんといっても最後の駅での別れのシーンですが、二人はもちろん今でも惹かれ合っているのですが、戦争やその二人の間に流れた時間の長さによって生じた立場、状況などにより引き裂かれてしまった。そうしたことからの、どうしようもないほどの悲しみ、つらさを感じさせます。とにかくその様子を目を凝らしてずいぶん長い間見ていました。だんだん遠く離れていく彼を見送る彼女、その彼も小さく、小さくなりながらも視線を全くはずすことなく、ぐずぐずに涙を流してしてる様子が今でも脳裏を離れません。このテーマ曲を思い出すたびに映画の心に残ったシーンが頭の中を駆けめぐる素晴らしい、絶品のテーマ曲ですね。 【ぱんた】さん 9点(2004-01-17 15:44:38) (良:2票) |
11.反戦映画として見るだけではもったいない見方です。運命に翻ろうされ、傷つきながらも、必死に、しかも、したたかに生きぬいていく人間の悲しさと強さを表現している作品です。全編を通して、悲しみや怒りと同時に運命に立ち向かう強さと現実を受け入れるしたたかさは感じられるが、決してあきらめや失望は感じられない。ドラマとはいえ、こうした極限状態の人たちの言動に、今の我々が納得できない点はあるでしょうね。ただ、そういう点だけに目をうばわれるのもまた、もったいない見方かなと。 【パセリセージ】さん 9点(2004-01-11 00:04:01) (良:3票) |