1.《ネタバレ》 黒人奴隷の描写では鑑賞史上最狂作品で、奴隷同士若しくはご主人様と奴隷を「交配」させて出来た子供を売物にする奴隷牧場の実態を初めて知る事に。ディノ・デ・ラウレンティス、リチャード・フライシャーならではの容赦ない語り口で、その意を受けたジェームズ・メイソンの一言一句に至る最狂ぶりが空恐ろしい。皆が尻込みしてしまうであろうこのようなキャラクターを演ずるジェームズ・メイソンの貫録を思い知らされる。唯一の救いに見えた息子ハモンド終盤の大狂乱に呆然とし、積年の恨みを爆発させたかのような使用人怒りの一撃にこれまた呆然と。そこで終わってしまう演出が物足りなかったものの、ここまで赤裸々に自国の黒歴史を見せつけられては反発酷評するのも理解できる強烈過ぎる一品。
南北戦争20年前を舞台にした本作をオバマ元大統領、トランプ現大統領はご覧になったのだろうか。