6.グレタ・ガーウィグ。2010年頃からの僕の注目の女優さんの1人でしたが、
2010年代の終わりには、こんなに素晴らしい映画を撮る監督さんになっていました。
19世紀という時代を生きた姉妹の物語である「若草物語」。
戦前、戦後、そして今に至るまで、これまでに何度も何度も映画化されてきましたが、
生きる喜びや、時に訪れる悲しみ。彼女たちの物語は、時代やその時々の世相、価値観を問わず
人々を感動させ、人々の心に響く普遍的な要素がたくさん含まれているということなのでしょう。
本作はアカデミー賞では衣装デザイン賞を受賞したとのことですが、
映像の美しさと共に作品の時代を感じさせる衣装や美術も素晴らしかった。
最も印象に残るのはやはりシアーシャ・ローナンでしたが、
4姉妹に、ローラ・ダーンのお母さんに、メリルのおば様に、女性が中心の作品にあって、
いつも姉妹の傍にいた、クリス・クーパー、ティモシー・シャラメらが演じた男たちも良かった。
控え目ながらも、作品の中でしっかりとした存在感がありました。
「悩みが多いから、私は楽しい物語を描く。」
鑑賞後、冒頭で引用された原作者オルコットのこの言葉を思い出しました。
まさにこの言葉通りの、いい映画でした。