24.面白いです。感覚的には大林監督作品はこの作品のリバイスっぽいのが多い印象ですが、これが一番いいと思います。小林聡美、尾美としのり共にとても良かったと思います。特に小林聡美は男っぽく快活にしてる時と、二人で因島に渡った時の物憂げな表情等セリフのない時の所作との対比が素晴らしかったです。 尾道のノスタルジックな風景も美しく、夕日や海、蝉時雨がひと夏の青春の舞台として完璧です。 【クリプトポネ】さん [DVD(邦画)] 9点(2019-08-03 23:46:27) |
23.《ネタバレ》 放送されるたびに観ているのですが、改めてレビューします。初めて観たのはTV初放送のときでしょうか。小学校低学年だったので「なんか面白い男女だなぁ」くらいしか思っていなかったのですが、改めて観ると何ともノスタルジックかつロマンチストないい映画です。というのも私は尾道出身なので、普通の人の10倍はノスタルジック度が高いと思います。尾道の坂、駅前から出る連絡船、商店街、まだ一つだけの尾道大橋等数えたらきりが無いです。どうしても昔懐かしの気分が先行して純粋な評価が難しいですが、あえてひとつの映画として評価した場合でもこの点数です。主演二人の演技がなんとも飾り気がなく非常に素敵です。お互い違う立場・視線で物事を見るうちに、自分が今まで気づかなかったものが見えてくる。それが思いやりであったり、勇気であったり、親切心であったりと。この映画を観たあとなぜかチャップリンの映画を観たあとのような「やさしさ」を心に与えられたように感じました。また時が経って、思い出したようにこの映画を観たいです。余談ですが、駅前から出ていた因島行きの水中翼船の待合室の受付が小さなおもちゃ屋さんになっていて、ガラスショーケースにミニカーがびっしり置いてあったのを覚えています。死ぬほど欲しかった。いい思い出です。 【金田一耕助】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2018-01-19 21:17:00) (良:1票) |
22.《ネタバレ》 面白い。ホントにこのような入れ替わりがあったとしたら(ないけど)、男子の体に入った女の子の方がうまく状況対応するだろう、と思いましたが。しかし、女子の体に入った男の子を演じる女の子(ややこしい)である小林聡美の弾けるようなすばらしさが本作の大きな魅力なワケで。引き立て役の尾美としのりは、どうしても、公開当時としても少数派であった「お嬢ちゃん」にならざるを得なかったのだと思う。この度20数年ぶりに再見。忘れもしない鮮烈なラストシーンは言わずもがな。こんなにもコクのある作品だったとは思いませんでした。見直して、よかった。 【なたね】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2017-06-13 22:17:45) |
21.《ネタバレ》 なかなかの良作。 こんな経験しようがない男と女の友情物語ったらないと思う。 そして、これだけチンポコだの淫語を言ってるのに爽やかな映画もなかなかない。 兎にも角にも主演2人の演技が素晴らしい。特に小林聡美の体当たり演技は称賛されて然るべきだ。 『さよなら、ワタシ・・・』『さよなら、オレ・・・』、なんて素敵なセリフなんだろう・・・彼等と同じ思春期に戻ったようにキュンとしちゃいました。 そして、この映画を観て個人的に思ったのは、女の裸を見るのはメチャ好きな筈なのに、自分の身体が女になるのは嫌だな・・・と。 んだから変な話、性同一性障害の人の心と身体の違いの違和感って、本当に深刻な悩みなんだろうなと改めて思った。 【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 9点(2013-11-15 14:04:45) |
20.大好き。日本の入れ替わりもののパイオニア的映画。あえてモノラルなのがいい。原作「おれがあいつであいつがおれで」は友人が持っていて既読でしたが、設定がまるで違うので新鮮でした。ロケ先にも旅行で行きました。ちなみに尾美さんはずっとこの映画のイメージが離れませんw ドラマ版の観月ありさ&石田一成のもなかなか良かった記憶が。 【movie海馬】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-09-26 16:38:02) |
19.《ネタバレ》 『転校生』のプロットはまさに画期的かつ奇想天外だ。だが本当に面白いのは、この突飛な設定に反し本作が実は一貫してオーソドックスな青春映画でありつづけようとすることだ。一美が一夫であり一夫が一美であるという彼らの身に起こる一大事は、言わば本人たちがただ勝手にそう主張し上を下へと大騒ぎしているだけに過ぎない。つまりは彼らがいかにハチャメチャな騒動を巻き起こそうと、映画はひたすらに何の変哲もないありふれた青春の、それゆえ美しい日々を、ただありのままに捉えるのだ。そんな風にして描かれるのは、だれしもがかつて学校の音楽室で耳にしたはずの入門編クラシックと、郷愁をさそう尾道の町並み、そしてそんなノスタルジアを背景に先述の二人がくりひろげるそれこそ古典的なまでのドタバタ喜劇。それらを奇を衒うことなく綴っていく大林宣彦監督のその視線はいつにも増しておおらかだ。彼が前作『ねらわれた学園』や次作『時をかける少女』では一転、角川映画の製作費を投じ大林印のきらびやかな特撮を駆使していたことを考えると、そうした特撮を徹底的に除いた本作のカラーは低予算ゆえの決断だったかもしれない。だが逆に言えばその英断ゆえ、本作は大林印に免疫のない観客層にも訴求する力を持つ作品となってもいる。一美役に起用した小林聡美がいわゆる大林印の美少女でないことも然りだ。主人公二人の内面だけに起こる目に見えない奇想天外、それを特撮もデコレーションも排したありきたりな風景の中でファンタジーとして体現できる女優は小林聡美をおいて他にいないだろう。「さよなら私」「さよなら俺」、手をふりあう一美と一夫。それは転校生とそれを見送る者とのセンチメンタルな別れであると同時に、子ども時代というファンタジーの終焉でもあり、さらには人知れず悩める思春期との決別であり、また、初めて意識しあった「異性」との別れでもある。望遠レンズでも追いつかないほどにどんどん小さくなっていく「俺」はいつしか「あなた」となって、別れに胸を痛めながら、それでも健気に軽やかなスキップでまたその先を進んでいく。そうして八ミリの中の豆粒のような斉藤一美は、消える寸前、ついに芳山和子や橘百合子に負けない大林映画の美しきヒロインとしてフィルムにくっきりと焼きつくのだ。「さよなら俺!」、やさしくささやくような一夫の、その言葉と共に。 【BOWWOW】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-03-03 07:44:57) (良:3票) |
18.全編のトーンを音楽が決めている。トロイメライ、アンダンテカンタービレ、G線上のアリア、と、つまり下校の音楽なんだ。学校の終わりの音楽。男女未分の子どもが学校生活を終えて、それぞれ完結した男や女になっていくんだけれども、そのとき押し込められてしまう男の中の女性性、女の中の男性性、それを確認できる最後の時間を描いた作品なんだな。一夫に比べて一美のほうがやや連続性に欠けるのは(転化するとより女々しくなってしまう)、女性の男性化は進んでいるのでより極端にしなければならなかったってことか。だから逆に、城跡へ向かう列車の中で女になった一夫(小林聡美のほう)がわざと女の口調をまねる、などというヤヤコシイことも出来やすいわけ。この映画のみずみずしさ・サラッとした感じは、どろどろ情念があふれていた邦画で本当に嬉しかったものだが、さて、オカマタレントがやたらテレビにあふれている現在見直すと、また感想も違ってくるんだろうな。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-12-12 11:53:14) (良:1票) |
17.《ネタバレ》 名作なんです。JKな頃の夏を想い出します。 【成田とうこ】さん [地上波(邦画)] 9点(2008-03-09 20:01:59) |
16.尾道の景色がとても綺麗です。色々なシーンで電車が通過しますが、そのタイミングや位置が画面の中にピッタリ納まっていて、旨いと思いました。 あと、小林聡美の体を張った演技で、男になった一美を表現する様に感動しました。公開当時スクリーンで観ていたら、今で云う「バベル」の菊地凛子以上の衝撃だったと思います。 【ありあ】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-07-24 15:10:17) |
15.もう随分前に見た作品だが色褪せることなく益々味が出てくる。瑞々しくリアリティのある主演2人が新鮮であるし、また背景である尾道の風景が何処かノスタルジックで美しい。その淡い風景と重なるように流れるシューマンの“トロイメライ”が切なくて胸にじーんときたりもします。何か遠い昔の出来事を想い起こさせるようなそんな感じのする作品です。 【カリプソ】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-01-25 02:37:03) |
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14.ふと“尾道”へ行こうと思いたち、「それならば大林監督の映画を観なければ!」と思い、初めてあまりにも有名な今作を観た。 いやー、スゴイ映画だと思う。知名度の高い映画なので、内容を知っていた分、今まで敬遠してきたことをうらめしく思う。 大林監督の、まさに郷里への愛情溢れるノスタルジー。可笑しくそれでいて切ないストーリー性。郷里の美しさ、感情の美しさ、過ぎ去った時間の美しさ、あらゆる美しさが合わさり、また違う美しさが映画いっぱいに溢れている。 それにしても、何よりスゴイのは、この映画に主演した“新人”俳優二人の発見である。この映画の、特に主人公の二人の間での台詞がいちいち完璧なのは、もちろん脚本の素晴らしさもあるが、演じる二人の俳優のチカラに他ならない。ほんとに「天才じゃないか」と感嘆してしまう。 良い役者というものは、そのキャリアの発端から“巧い”ということをつくづく感じた。 【鉄腕麗人】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-08 02:30:23) |
13.私が思うに「入れ替わり」というプロットが多くの人々を惹きつけるのは,それが常に「秘密」とセットになっているからだ。いやむしろ,そのような「秘密」こそが魅力の源泉で,入れ替わりは「秘密」を物語に導入する単なる手段に過ぎないといってもいい。秘密でない入れ替わりなど面白くともなんともないに違いないのだから....。そう考えれば,この映画の舞台は断じて尾道でなければならないし,季節は夏でなくてはならないし,主人公は尾美としのりと小林聡美でなければならない。きっと,このうちのどれが欠けても「秘密」の魅力は半減していただろう。いってみれば,奇跡的な結びつきの化学変化によってもたらされるきらめきと匂い,そして「秘密」の総和がこの映画なのだと私は思う。例えば想像してみて欲しい。季節が夏でなかったら...主人公が尾美と小林という新人でなかったら...舞台が尾道でなかったら...あのムッとするような,だが爽やかな生命力溢れる草いきれの懐かしい匂いを映像から感じとることができただろうか?そして,ひいてはそのような「匂い」から想起される観客個人の甘酸っぱい「秘密の体験」を,この映画の2人の「秘密」と重ねあわせてみることができたろうか?私が言うまでもないが,名作には何らかの奇跡が起こっている。この映画がこれほどまでに人を惹きつけて止まないのなら,この映画にもやはりそういった類の奇跡が起こっていたのだとはいえまいか。 |
12.『転校生』とは、一夫と一美の「入れ替わり」というファンタジックな状況を設定することにより、思春期特有の男女の様々な心の揺れ、その微妙さをデフォルメした形で鮮やかに、そしてシリアスに取り出した青春物語である。。。と一般的に考えられているが、同時にこれは、当時、役者とも呼べないような普通の男の子と女の子、そう尾美としのりと小林聡美という2人のリアルにさざめく表情と彼らが演ずることを通して仄かに立ちのぼる何がしかの違和を克明に捉えたドキュメントであり、作品というテクストを超えた2人の演者の「実像」を捉えた記録そのものだったのではないか、と僕は思う。もちろん、2人の「実像」というのは、これが真実の姿というわけではなく、あくまで僕が鑑賞中に感じ続けた「実像」である。僕らは作品を超えて、演者としての小林聡美の像を観ており、そこから立ちのぼる違和のさざめきを感じているのである。だからこそ、この作品は、僕らにある感動を届けるのではないだろうか。おそらくこれは大林監督の意図でもあるだろう。ある意味で、アイドル映画のように、アイドルとしての像という作品としての外部の像を軸として映画が成り立つことに僕らが得も言われぬ違和感、作品としての破錠を見るのと同じように、というかそれを全く逆手にとって、最初から確信犯的に、作品の破錠を覚悟で監督はこの映画をそのように撮っていると感じるのである。 久しぶりに『転校生』を観て、僕はこのように感じたが、それは同時に演ずること、装うことに対する最もエッセンシャルな感慨を僕らに届ける。それを簡単に言えば、「恥ずかしさ」と「その乗り越え」「新たな不安」である。当時の全くアマチュアたる彼らの演技から立ちのぼるさざめきの表情と揺れこそは、役柄を超えた彼ら自身のリアルなものとして僕らに共感を伴う感慨をもたらすのである。 【onomichi】さん 9点(2005-01-09 17:05:40) (良:1票) |
11.大人の世界と思春期を迎えた少年少女の世界の間に「見えない壁」を作ることによって、二人の間に起こっている重大な出来事を「甘酸っぱいファンタジー」で、囲いきり、二人の主人公と鑑賞する者の間で物語の中心を担う「秘密」を共有することが出来たのが、この作品を成功に導いた大きなポイントの一つだと思う。 そしてカメラはその二人だけの世界にそっと降りて行き、尾美、小林の熱演と、叙情性ある尾道の景色とを絡めて丹念に描くことにより、淡いラブストーリーは見るものを引き込む説得力と、強いオリジナリティーを持つことになった。 やがて二人のファンタジーは終焉を向かえ、カメラもそっと現実の世界に戻る。 そしてちょっぴり成長した二人の感動的なラストシーンは、この作品の「傑作性」を決定的なものにした。 いつまでも心に残る甘酸っぱい青春を描いた名作だ。 【Beretta】さん 9点(2004-07-26 15:33:53) |
10.この映画を観た時は登場人物とほぼ同世代でした。その頃観れてよかった。 【ロイ・ニアリー】さん 9点(2004-06-10 22:03:47) |
9.この作品を見たおかげで大林監督の尾道三部作と呼ばれる,他の作品も見ちゃいましたもんね~。他の作品を先に見てれば,この作品も見てなかっただろうな~。この作品を最初に見といて良かった。。。 【北狐】さん 9点(2004-06-10 11:50:48) |
8.《ネタバレ》 楽しいんだけど、それでいてすごく切なくなる作品。何回も実写化(TVドラマ含む)された「おれがあいつで あいつがおれで」の中で、一番の出来。大林監督は尾道を舞台にした作品を多く作ったが、この作品の尾道が一番だと思う。別にどこが舞台でもいい内容なんだけど、妙にはまっているんだよねぇ。小林聡美も、最高にキュート。演技の面でも、一美と一夫の使い分けが上手。ラストの「さようなら、わたし」って台詞、やられました。 【なおてぃー】さん 9点(2004-05-01 23:55:05) |
7.男女が入れ替わるというSF的ファンタジーと尾道を舞台とした日本的ノスタルジー。一見ミスマッチと思われるこの組み合わせを思いついた大林宣彦監督の発想を高く評価したい。主役コンビに美男美女を配さなかったことも本作がより多くの観客に感情移入させる大きなポイントとなっている。もちろん、その大林監督の期待に応えた尾美としのり・小林聡美の好演も素晴らしい。未見のかた、是非観てください。こんなに笑えて、それでいて胸が張り裂けそうなほど切なくなる青春映画はそうそうないですよ。 【恭人】さん 9点(2004-01-05 13:53:07) |
6.絶賛している方は多いですね。私もその一人です。邦画の中では特筆ではないでしょうか。男の心を持った時と女の心を持ったときの小林聡美の顔つきが全く違うのがすごい。主役の二人は顔はそれほどでもないですが、見た後には輝いて見えます。その後の、一美を見てみたいと思ってしまいますね。あれだけヤンチャをしたので、どーなったのかを。 【ザクグフドム】さん 9点(2003-07-30 03:06:48) |
5.個人的に、尾美としのりの情けない高校生と、自分のそれとがダブってしまって好きな映画です。 【キタロウ】さん 9点(2003-06-17 04:35:58) |