9.《ネタバレ》 どいつもこいつもダメダメな連中ばかりである。衣装がまず非日常的であるから別世界の悪夢のようである。そして食べ物もぜんぜん美味しそうではない。そんななか、ゆいいつ人間的であったのは、復讐という行動で、それでラストをしめくくってくれたのは、実に心地よい。 |
8.作品が観る者を飲み込む。初っ端から釘付けになり、厨房、食堂、トイレのパーンで決定打!雑然とした画面が一気に白で埋め尽くされる。妻のドレスのなんと色っぽいことか。話が展開していくうちに、自らに潜んだものを刺激され興奮を隠せない。嫌なものも度を超せば好きに変わっちゃう感じです。イイもん観やした。 【れこば】さん 9点(2005-01-29 21:53:04) |
7.グリーナウェイの作品は全部見ていないのですが、これは最高傑作と言っていいのではないでしょうか。ひと言でいってゴージャス。ゴルティエの衣装を着ている、そして全裸のヘレン・ミレンの崩れかかった中年女の体つきがいっそう肉欲とエロスを増す。しかし人間というのは業の深い生き物ですな。ピュアなものを次々と汚していく罪深い存在だわね。豪華なレストランでの美食の数々、けれど裏にまわるとその残飯の山の凄まじさ、醜さ。これが強烈。ちょっとズレるけど、トリュフという地下性高級きのこ。これはブタの大好物で匂いを嗅ぎ付けて掘り出す。それを人間が横からぶんどるという方法で収穫するらしい。ダチョウの口に機械をあてがい、否応なしにとうもろこしをガガガーっと流し込む。無理やり太らせ肥大した肝臓がフォアグラだ。それが世界三大珍味だ。これって虐待だわね。ラスト、カニバリズムへと繋がっていくのがとても皮肉に感じました。マイケル・ガンボンのちょっと腫れぼったいような凶悪な目が脳裏に焼きついた作品でもあります。 【envy】さん 9点(2004-06-29 21:34:34) |
6.グリーナウェイの映画は初めてだったので驚いた。 他にも観たけど、これが一番完成度は高いと思う。 (映画館) 【zero828】さん 9点(2004-03-04 21:57:07) |
5.食欲、性欲、暴力性などをダイレクトにエログロ色濃く描いている。下品にむさぼる食事はまるでノーカット映画のごとくグロテスクでした。人間の行為とは裏腹に舞台美術のような美しいセット、赤、緑、白、青、黄と部屋が変わるごとにライトも変わり人物の衣装も変わる。一流のコックの作る料理を下品に食べる粗暴な人間、学者でありながら不倫を繰り返す人間、人間の本性においてはなんら変わりないとは非常にブラックである。 【亜流派 十五郎】さん 9点(2004-01-19 00:02:13) |
4.グリーナウェイ全開の作品。エロ・グロ・バイオレンス豪華絢爛。吐寫物や汚物、性欲食欲の有機物満載な映画なのにトータルで観るととても無機質な感じに仕上がってます。衣装もゴルチェでチョー豪華。ゴルチェスタイルのナースはたまりませんね。「ベイビー・オブ・マコン」と構成がとてもよく似てますね。この2作品が私的にはグリーナウェイのピークかなあ、なんて思ってます。 【としこふ】さん 9点(2003-12-19 22:27:58) |
【虎尾】さん 9点(2003-12-12 23:05:31) |
2.なんでしょうね。この世界は。なんか全編通してものすごい緊張感があるんですよね。圧倒的な暴力と恋愛、そして黒い高級料理。共通しているのはある種の欲望、死の恐怖を克服するところのエロチシズムかなぁ。なんてバタイユみたいだ。まぁそれにしても、異界の大厨房で妙に物々しいおっさんたちがゴリゴリ、ガリガリとつくりあげる料理って、いったいどんなもんなんでしょうねぇ。腐った食材が錬金術的魔法によって美食に変化する~みたいな。 |
1.難解な作風で知られるP・グリーナウェイ監督の、これは比較的解かり易い作品。タイトルからも容易に想像できると思うが、まさにドロドロとした生身の人間の感情のぶつかり合いと、そのかなり歪んだ愛と復讐の物語。その作品世界は極彩色の悪夢とでも言うべきか、グロとエロスのまさに退廃と悪趣味の極みを描き、また悪には悪をもって征すというカタルシスも用意され、媚薬のようななんとも魅力的な作品となっている。 【ドラえもん】さん 9点(2001-12-14 17:29:38) (良:1票) |