9.《ネタバレ》 久々にココロの隙間にピタッ!とハマる形のピースがきたなぁ~ってカンジです。『ビデオドローム』や『裸のランチ』のような主人公の日常に侵食してくる幻覚世界…と思って観ていると、次々と主人公の周囲に起きる不思議な符号(お告げ)が…。うん、コレは白石晃士監督の『オカルト』やシャマラン監督の『サイン』に近い手触りの映画だったのですね。そしてココロを病んでいる主人公の青年ドニーが、俺にはものすごくシンパシーを感じるキャラだったコトも嬉しい。中盤で、怪しげな自己啓発系セラピストに「アンタは偽キリストだ!」と、分かりみの深い挑発をする場面は俺も拍手喝采なワケなのです。 ちなみにこの映画は【難解系】と言われているようですが、俺はアレコレ考えなくても見たままの気持ちを味わえばイイように思うのです。理詰めで【この映画の回答】を出してしまうのも、なんだかもったいない気がするンですよね。最初から最後まで切ない顔をしていたドニーと一緒に【フワフワした不安】を感じていればヨシ。最後の最後にベッドの上で嬉しそうに微笑むドニーの笑顔に切なくなるのもまたヨシ…。ラストの【ドニーとはまだ会ってさえいない、ドニーの恋人】の切ないバイバイも、またイイですよね…。 というワケで…ずっと見たかった映画が、思っていた通りにドストライクだった喜びも含めて…点数は甘めです。 【幻覚@蛇プニョ】さん [インターネット(字幕)] 9点(2021-03-30 20:13:32) (良:1票)(笑:1票) |
8.ストーリーは楳図かずお“イアラ”あたりのよくできた短編のよう。登場人物みなが安易なステロタイプに陥っていないので小ネタひとつとっても落ち着く先がどこなのか予測できない。すばらしい。転校生のヒロインに対し女教師が「好きな子のとなりに座りなさい」と、恋愛に対しオープンなところを見せつけるので、心底うらやましいと思ったらカトリック系(?)のマインドコントロールセミナーのような講義があったりと、アメ公ならではのくだらない心労も感じられ青春風俗ものとしても大変興味深かった。娯楽性は以上の点で充分押さえられていて、更に意識の混濁を誘うドラッグ・ムービーとしての側面も申し分ない。ややこしい心理ものなのでちりばめられた謎の部分をきっちり解釈しきることは出来ないだろうが、単なる思わせぶりではない何かを感じさせる傑作でした。音楽がまたいい! 【皮マン】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-02-19 21:50:48) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 アメリカSF小説の黄金期(1950年代)近辺の作品を若い頃に読みあさっていた私としては、この映画はかなりハマりました。SF的/哲学的なセリフにしても、「π」のような「難しい単語ってカッコいい」というノリだけの無学丸出し系では決してなく、それなりに我慢できる程度には(SF的に)文脈がまとまってますし、こういう類の変な話が好きな人がハマるつぼをけっこうピンポイントでおさえているのではないでしょうか。まあ、個人的には、銀色のウサギとジェイク・ギレンホールの妙ちくりんな演技と学園ものというだけでかなりツボにはまっていて、あとは正直どうでもいいかも。最後のタイムスリップがちょっと無理矢理すぎて、別になくてもいいかも、と思ったので、1点ひいて9点。 【あおやん】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-02-14 03:15:44) |
6.海外でカルト的な人気を誇っているので見てみたが、これが結構な掘り出し物だった。少なくとも「マルホランド・ドライブ」が好きな人には受けると思う。不気味な雰囲気作りだけでなく、所々ユーモアも効かせているのが小気味いい。劇中でjoyとfearに説明していたファーマー先生のjoyからfearへの転換もお見事。ドニーの周りで起こる不可解な出来事。ラストで伏線を鮮やかに回収していくが、それでもどこかしら謎が残る。幻想小説の読者が自分なりの世界を想像するように、見るものによって解釈が異なるように出来ている。個人的には「ドニー・ダーコ、ヒーローみたいな名前ね」というセリフが印象に残っている。これはある意味青春の心の闇を題材に扱ったシュールレアリスムともいえよう。見る人は選ぶだろうが、やはりラストのオチで全てが綺麗に解決、という映画ばかりではないだろう。独特の世界観を作り上げたリチャード・ケリー、ドニー・ダーコの不安を体現したジェイク・ギレンホール、この作品を発掘したドリュー・バリモアの3人に乾杯。 【マイカルシネマ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-10-29 15:01:24) |
5.ドニー少年は戦った。この物語は何らかの抗えない大きな力により前提された「彼を取り巻くもの全て」対「彼たった1人」の戦いだった。これは痛々しく壮絶な青春映画だった。ドニー少年のとてつもない孤独な青春。「世界がおかしいのか?自分がおかしいのか?」。彼たった1人の戦い。でもそんなものに答えはない。全ては反転し合い転がって行く。何が正常なのか?いや、何か正常なのか?ラスト、彼は全ての原理に気付いたのだろうと思う。彼の高笑いは全てを悟った彼の心情を如実に表しているのだろう。そして彼の本質的な孤独は、孤独だからこその一抹の清々しさを残して物語を終結させる。心に引っ掛かりを残す、でもそれを如何様にも読み解ける取っ掛かりも残す。そんな不思議な不思議な余韻を残す作品。監督25歳の才能。 【ひのと】さん 9点(2004-05-19 23:20:02) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 様々な謎を残しつつも28日と6時間42分12秒で確かに彼の世界は幕を閉じたのです。それだけは紛れも無い事実であり、もっち~はこの世界観に驚愕しました。 |
3.うーん!見終わった後にそれで終わり!ってわけじゃなくて頭から離れないーーー。すっきりする映画じゃないけど、後引く映画の中で最高におもしろかったです!!ドニー・ダーコっていう名前も大好きだ♪♪ 【こゆ】さん 9点(2003-05-24 01:27:31) |
2.見ていると自分もドニーダーコになった気分になりました。社会には腹のたつことがいっぱいあります。自分だったら、我慢しちゃうようなことでも、ドニーだったら、全部ぶっこわすし、言いたいこといいまくっちゃう。そんな所が、最高でした。1度見たら何回も見たくなる、すごく複雑で深い映画でした。 【MAX】さん 9点(2003-04-19 18:25:25) |
1.まぁ解釈云々は抜きとして(結局個人に委ねられるんじゃないかな)、監督の表現力がすごいと思った。完成度の高い映画だと思う。 【(*´д`*)】さん 9点(2003-04-17 02:50:55) |