9.《ネタバレ》 「スノーマン」もちょっぴり切ない話だったけど、この話も凄い切ない。でも、凄く良い作品だと思う。 コレが“コメディ”だと言われてちょっと驚いた。だって、確かにシェルターが簡素すぎて、政府の言う事を真に受ける姿はブラックだなあと思ったけど、二人が放射能で徐々に力尽きていき、ずた袋被って、互いに手を取り合うでもなく狭く暗いシェルターの中で静かに息を引き取っていくところなんてもう・・・俺さあ、子供ながらに泣いちゃったワケよ。 関係ないけど、何故かこんな事を思い出した。 いつだったかガキの頃、水の中で溺れた時があってさ。口や鼻に水がどんどん入ってくるじゃんか?それを水泳の帽子で顔を被って止めようとすんだけど、帽子は網目で水が止まるワケないのにさあ。子供ながらに必死だったよ。何でもいい、誰か助けてくれって・・・あれが死を感じるって事なのかな。 劇中の二人も、解っていても“何でもいいから”すがりたかったんだと思うよ。多分。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-12-29 22:45:11) |
8.《ネタバレ》 田舎で平和に暮らす善良な老夫婦。政府が作成したいい加減な核兵器使用後の放射線対策を何の疑いもなく信じ、国は迅速にして適切な対応でもうすぐ自分達を助けに来てくれるとひたすらに信じ続ける夫婦のどこかコミカルな描写が冒頭から続きますが・・・。 少しずつ体に異変が出始めるにつれ、終盤は見ているのが辛くなってくる。悲しみと共に核や放射線の恐怖を感じずにいられません。本作は今こそ多くの人たちに、政治家達にも見てもらいたい映画です。政府の発表をひたすら信じ、助けに来てくれると信じ続ける夫婦の姿からはそんなことも感じました。本作の背景にある東西冷戦は終結したけれど、今を生きる僕たちにもズシリと重い問題提起を投げかけられた思いです。 今回吹替版で見ましたが、森繁さん、加藤治子さんの声の演技が本当に素晴らしかったです。 【とらや】さん [CS・衛星(吹替)] 9点(2012-02-05 12:08:13) |
7.《ネタバレ》 観ていて無知は恐ろしいな、と思いましたが、最後の祈りながら逝く姿を見ると、知らぬが仏だったのかな、という気もしました。 かなり衝撃的ですが、一度は観るべき作品だと思います。 アニメだから、昔の作品だからといって侮ってはならない。 【eureka】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2008-03-14 00:26:45) |
6.戦争の状況も、爆弾の落ちた場所も、爆弾の種類や威力も、全て分からないまま、柔らかなタッチで「老夫婦の現状」のみを追っていきます。どこまでも全く救われない物語ですが、夫婦が最期までお互いを気遣い合っているのが救いでした。この映画を核開発をしている全ての国に流して欲しいです。 【selene】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2007-12-18 16:09:21) |
5.小学生のころ、母親が原作絵本を買ってきて、読み、あまりに恐ろしくて一人でトイレすらいけませんでした。その後母親が今度はビデオ借りてきて、今度はもう一人で風呂にすら入れなくなりました。静かに、ゆるやかに崩壊していく日常生活が強烈です。怖いです。大人になってから見たのですが、見てから3日は立ち直れませんでした。でも、観る者に強烈な衝撃を与えられるホンモノの映画だと思います。 【Fukky】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2006-12-27 22:53:40) (良:1票) |
4.これって確か夏休みかなんかに観たんですけど、その時の衝撃は凄かったですね。 核を取り上げた数ある映画の中で、個人的には一番印象に残っています。 分かりやすく鮮明に核の恐怖を描いており、この映画から発せられるメッセージは若きし頃の自分にとって十分に伝わりました。 気が付くと自分を取り巻く環境および自分自身の体の異変を気づいても真相を知ることなく、死を迎えてしまう。 これって現実に起こりえるかもしれない分恐ろしいですよね。だからこそ平和の大切さを再認識しました。個人的にずっと伝え続けて欲しい映画の一つです。 |
3.小学生のときにラストだけをみて、高校の時に全部見た。核の恐ろしさももちろんだが、作品の静けさや、実写を混ぜたような映像がひんやりしていて怖かった。究極のシュールリアリズム 【ガム】さん 9点(2005-01-23 09:43:09) |
2.「知らない」というのは恐ろしい。小さなシェルターに隠れ、被爆した事にも気づかず、辺りの崩壊した様子を見ても牛乳が届かないと言ってみたりして、普段の生活が出来ると思ってしまう怖さ。彼らが最後まで知らずに死んでいくその姿に涙なくしては観れなかった。 【カズレー】さん 9点(2003-12-08 04:43:58) |
1.唯一の被爆国である日本では、当時この映画の評判は高かったように記憶している。“核の恐ろしさをもっと知るべき”と言うメッセージの対象は日本ではなく、勿論外国向けなのでしょうが、それでも充分に伝わるのはそれだけこの映画の完成度が高いと言う事。…主人公の夫婦は、ごく普通の日常生活の中で“核”をとらえている。まるで台風でも来るような備えしかせず、本当に淡々と描かれる話に、次第に日本映画が描く“核”とは全く異なる恐ろしさを、この映画に見た気がする。同時に日本人である我々がこの映画を観ると、違う悲しみを感じてならない。“外国は核映画を作れない”というレッテルを、見事に覆した作品。逆に言えばこういう映画は日本には絶対に描けないでしょう。そういう意味でも、この映画のレーゾンデートルを高く評価したい。 【_】さん 9点(2003-11-12 15:26:59) (良:1票) |