1.《ネタバレ》 「西部の男」を視聴後、無性に本作が観たくなったので2周目鑑賞。そしたらもう見え方が全然違う。ロイ・ビーンといえば、①やりたい放題の悪徳判事②リリーに首ったけ な人。この先入観があり、かつロイ・ビーンというキャラクターが好きな私は、9点か10点かでかなり迷いました。先入観の助力があるからこそ「リリー」という名が出てきただけで笑っちゃうわけで。「あ、ロイ・ビーンの琴線に触れたなw」とその先の展開が予想できちゃうわけで。酔っ払いが銃を乱射してんのに全く無視なポーカー軍団がリリーのポスターに狙いを定めた瞬間に制裁を下すところなど、ユーモア以外の何物でもありません。ロイ・ビーンのキャラクターを前提として、一見「無茶苦茶」なところを「ユーモア」として楽しめるかどうかによって、前半のさりげない会話や無法者を処刑するシーンなどのイメージが大きく変わりそうです。
本作は最初から最後まで全て、ポール・ニューマン扮するロイ・ビーン中心に回っている。自分が世界の中心だ!自分が正しいと思ったことをやる!的な。現代の価値観で冷静に見ればロイ・ビーンの行動は「いや、違法行為じゃん」とか「そんなやり方は認められない」となるんですが、ロイ・ビーン本人としては全くそんなことを思ってないし気にしていない。というか、そんな考え方そのものがない。誰に何と言われようと、「自分の考えが正しい」と本気で思っている。そんなロイ・ビーンも時代の波には逆らえない。「自分が正しい」が通用しなくなる時代がやってくる。しかしそれでも、ロイ・ビーンはロイ・ビーンのまま。リリーへの絶対的な愛(崇拝)は忘れないしポーカーで勝てないところも変わらない。時が過ぎれば消えてしまうものかもしれないけど、そんな男がいたという証は子孫によって、また「記念館(笑うところ?)」によって僅かながらも繋がっていく。なんか上手く言い表せないけど、とにかく素晴らしい作品だと思います。