2.《ネタバレ》 邦題をみる限りはB級映画の臭いがプンプンしてくるが、実はぜんぜん違う。すごく面白い。 サッカーは男のスポーツだという偏見を持つイギリス人の母親は自分の娘がレズだと思い込む。そして今まで娘と対立してきた自分を悔いて、夫からオフサイドを教わる、その姿は滑稽で笑える。 そしてインド人の父親は、若いイギリスの留学時代にスポーツをしていたが差別を受けて心にトラウマを抱えている。 自分の娘も同じようにスポーツを通して外国選手から差別を受けるのではないかと思っている。 インド人の母親は、インドの文化を何よりも大切に思っているが、2人の自由主義の申し子である娘たちを見てはいつも嘆いている。 娘が肌を露にしてボールを蹴ることに真っ向から反対している。 そしてベッカムに恋するゲイの男性も、とてもよかった。 主人公の女性が恋するのはベッカムではなく、アイルランド人の女性サッカーチームの監督。彼は自分の父親に負目を感じて対立している。 女性のサッカーチームの監督をしている自分にも誇りが持てない。 イギリス、インド、アイルランド、レズ、ゲイ、人種差別、なんでもありのすべてがつまった面白い映画。 映画が面白いと感じるのは、CGや特撮ではなく人間が輝いているとき。 そのことを改めて教えてくれた貴重な映画。