2.ちょっと前に何年かぶりで観ました。「痛々しくてもどかしくてハラハラする」というのは変わりませんでした。
もう最初からこわれてしまっている奥さん、結婚して夫を家族を愛するあまりというよりそれ以前の問題という気がしないでもないし、そんなロマンチックというか健気で可愛らしい理由ではないと思う。
奥さんの生い立ちかな?そしてこの夫婦がブルーカラーであるといのが余計にリアルというか生々しく感じました。
お互いを思う気持ちはあっても、男と女の気持ち、感覚のズレみたいなものも感じました。夜勤明けに同僚を大勢家に連れて帰る夫、退院する妻を病院には迎えにいかず、全快祝いだと同僚を大勢家に招くことを優先する夫。でもこの奥さんは夫と二人だけの時間を過ごすためには自分の子どもでも追い払ってしまう人でもあるわけね。その子どもたちは子どもらしく、おかしな演出がしてないところがいい。
お互い良かれと思ってしたことが逆に相手を傷つけたり負担を感じさせていまう・・・夫婦ふたりともが激しくて、私としてはショックを受けると同時に軽く疲労を感じる作品、傑作だと思います。
女であり主婦であり母である私が強く思うこと・・・専業主婦であり、家事と子育てを中心に近所付き合いに夫の身内、同僚、友人との付き合いもそつなくこなす、これが幸せと思える場合のその根拠、それはひとえに夫なのです。夫が自分に対してどう向き合っているのか、これに尽きる。この女の役割は無条件でやって当たり前のことではありません。メイベルのように表面を取り繕うことなく感情を出せることが私は羨ましい。
そして今回は観ているうちにニック・カサヴェテスが監督した「シーズ・ソー・ラブリー」をちらっと思い出したのでした。